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デフォルトで信頼できる Chrome 拡張機能
2019年9月12日木曜日
この記事は Chrome 拡張機能プロダクト マネージャー、James Wagner による Chromium Blog の記事 "
Trustworthy Chrome Extensions, by default
" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
実にすばらしいことに、私たちが Chrome 拡張機能システムをリリースしてから 10 年近くが経とうとしています。デベロッパー コミュニティの懸命な努力とイノベーションのおかげで、現在
Chrome ウェブストア
には 18 万以上の拡張機能が公開されています。また、PC で Chrome を使っているユーザーの半数近くが、積極的に拡張機能を使って Chrome やウェブの体験をカスタマイズしています。
拡張機能チームの 2 つのミッションは、個々のユーザーのニーズや興味に合わせて Chrome の機能をカスタマイズできるようにすることと、デベロッパーが高機能で使いやすい拡張機能を作れるようにすることです。しかし最も重要なのは、インストールする拡張機能が安全でプライバシーを尊重し、パフォーマンスに優れていると、ユーザーが信頼できるようにすることです。ユーザーは常に、拡張機能の動作とアクセスするデータの範囲について、完全に把握できる必要があります。
ここしばらくの間にも、拡張機能のセキュリティ向上に向けてたくさんの対策を講じています。たとえば、
プロセス外 iframe
をリリースし、
インライン インストールを廃止
し、機械学習を利用して悪意のある拡張機能を検知およびブロックする機能を大幅に強化しました。今後はデフォルトですべての Chrome 拡張機能を信頼できるようにするために、さらに抜本的な変革を行う必要があります。
本日は、近日中に変更される点と、今後の計画についてお知らせします。
ユーザーによるホスト パーミッションの制御
Chrome 70 より、サイトのカスタムリストに対する拡張機能の
ホストアクセス
を制限できます。具体的には、拡張機能が現在のページへのアクセス権を得るために、クリックが必要になるように設定できます。
ホスト パーミッションは、強力で独創的な拡張機能に幅広く利用されています。しかし、この機能は拡張機能がウェブサイトのデータを自動で読み取って変更することを許すので、悪意によるもの、意図しないものの両方において、さまざまな誤用につながっています。私たちのねらいは、拡張機能がいつサイトのデータにアクセスできるかについて、ユーザーの透明性と制御を向上させることです。今後のマイルストーンでも、ユーザビリティを改善しつつ、この目標を目指してユーザー エクスペリエンスの最適化を続けてまいります。自分の拡張機能でホスト パーミッションをリクエストしている方は、
移行ガイド
を確認し、できるだけ早くテストを始めることをお勧めします。
拡張機能のレビュー プロセスの変更
強力なパーミッションをリクエストする拡張機能に対しては、今後、追加コンプライアンス レビューを導入する予定です。また、リモートコードを実行する拡張機能については、継続的なモニタリングを通して緻密な監視を行います。レビュー時間をできるだけ短縮するには、拡張機能のパーミッションのスコープをできる限り
狭く
し、すべてのコードを拡張機能のパッケージに直接含める必要があります。
新しいコード リーダビリティ要件
本日より、Chrome ウェブストアは、コードが難読化された拡張機能を許可しなくなります。これには、拡張機能のパッケージ内のコードだけでなく、ウェブから取得されるすべての外部コードや外部リソースも含まれます。このポリシーは、提出されるすべての新しい拡張機能に即座に適用されます。コードが難読化されている既存の拡張機能は、今後 90 日間は引き続きアップデートを提出できます。ただし、ポリシーに準拠していない拡張機能は、1 月初旬に Chrome ウェブストアから削除されます。
現在、Chrome ウェブストアからブロックされた悪意のある拡張機能やポリシーに違反している拡張機能のうち、70% 以上に難読化されたコードが含まれています。同時に、難読化は主にコードの機能を隠すために使われるので、レビュー プロセスにかかる手間が大幅に増加します。前述のレビュー プロセスの変更を考慮し、コードの難読化は許可されなくなります。
また、JavaScript コードは常にユーザーのローカルマシン上で実行されるので、難読化を行ったとしても、本気を出したリバース エンジニアから独自のコードを守るには不十分です。さらに、難読化技術には、実行が遅くなる、ファイルのサイズやメモリ使用量が増加するなど、パフォーマンス的に大きな代償が伴います。
一方で、一般的なコード圧縮を行うと、コードのサイズが小さくなるので、通常はコードの実行速度が向上します。レビューもはるかに簡単です。そのため、以下の手法によるコード圧縮は引き続き許可されます。
空白、改行、コードのコメント、ブロック区切り記号の削除
変数名や関数名の短縮
JavaScript ファイル数の削減
コードを難読化した拡張機能をストアで公開している方は、改訂された
コンテンツ ポリシー
と Google Developers に
推奨されるコード圧縮技術
を確認し、2019 年 1 月 1 日までにポリシーに準拠したバージョンを提出してください。
2 段階認証の必須化
2019 年には、Chrome ウェブストアのデベロッパー アカウントに
2 段階認証
が義務付けられる予定です。拡張機能が人気になると、アカウントを乗っ取って拡張機能を盗み取ろうとする攻撃者が現れるかもしれません。2 段階認証を使うと、スマートフォンや
物理セキュリティ キー
による第 2 の認証ステップが必須になるので、セキュリティが一段と向上します。できるだけ早く
登録
することを強くお勧めします。
さらにアカウントのセキュリティを強化したい方は、
高度な保護機能プログラム
の利用を検討してください。高度な保護機能は、Google の従業員と同じレベルのセキュリティを提供します。物理セキュリティ キーが必要になるので、フィッシング攻撃に対して特に強固な保護を実現します。
今後の予定: Manifest v3
2019 年には、拡張機能マニフェストの次のバージョンを導入する予定です。Manifest v3 では他にも、セキュリティ、プライバシー、パフォーマンス保証を強化することを目的としたプラットフォームの変更が行われる予定です。私たちは、すべてのデベロッパーを
成功に導きたい
と考えています。Manifest v3 では、安全でパフォーマンスのよい拡張機能を書くことは簡単で、安全でない、パフォーマンスが悪い拡張機能を書くのは難しくなければなりません。
Manifest v3 の主な目的は、以下のとおりです。
スコープを狭めた宣言的 API により、重要な機能を維持しつつ、不要に幅広いアクセス権を与えることなくパフォーマンスのよい実装をブラウザで実現できるようにする
他にも使いやすい仕組みを導入し、ユーザーが拡張機能に付与したパーミッションを制御できるようにする
新しいタイプのバックグラウンド プロセスとして Service Worker をサポートするなど、ウェブの新機能に合わせた最新機能を導入する
Manifest v3 への移行はできる限りスムーズに行いたいと考えており、そのためのロールアウト計画を慎重に検討中です。詳細については、近日中にお知らせします。
拡張機能によっては、本日お知らせした変更に対応するために、皆さんの作業が必要になるかもしれません。しかし、その結果は総合的に、すべてのユーザーやデベロッパーのために、そして長期的な Chrome 拡張機能エコシステムの健全性のために、労力を払う価値があります。私たちも、皆さんとともにこれらの変更点に対応してまいります。また、皆さんからのフィードバックもお待ちしています。質問やコメントがある方は、
Chromium 拡張機能フォーラム
からご連絡ください。
Reviewed by
Eiji Kitamura - Developer Relations Team
Google Cloud Summit in 大阪 開催のご案内と、コンテンツのご紹介
2019年9月10日火曜日
来たる 2019 年 9 月 25 日 (水) に、クラウドの最先端を体験できる地域特化型イベント Google Cloud Summit ’19 を、昨年に引き続き大阪で開催いたします。Google Cloud Summit は、これまで世界 20 か所以上の国と地域で開催されているグローバル イベントです。
基調講演、ブレイクアウトセッション
午前中に開催する基調講演では、海外からの Google スピーカーも来日し、Google Cloud の最新技術やメッセージをお伝えします。
午後に開催するブレイクアウト セッションでは、データ分析や機械学習、セキュリティなど、Google Cloud Platform (GCP) や G Suite の活用を紹介する15 のセッションをお届けします。実際に Google Cloud 製品を活用されている関西の企業様に事例をご紹介いただくセッションもご用意しております。特に以下に紹介した 2 セッションは、GCP 関連のおすすめセッションです。
◆ GCP の基礎を学びたい方 ◆
17:30–18:10 Track 2-5
GCP ではじめよう!クラウドネイティブアプリの作り方
クラウドの利用が一般的になりつつある昨今、アプリケーション自体もクラウドが提供するサービスを最大限活用できるモデルにシフトすることで、より変化に強くアジリティの高いシステムを作ることが可能になりました。本セッションでは GCP が提供する Google Kubernetes Engine や Cloud Run 等を利用してどのようにクラウドネイティブアプリを構築するのかデモを交えながら説明します。
◆ GCP の深い技術の活用に興味のある方 ◆
16:20–17:00 Track 3-4
BigQuery ML と AutoML Tables ではじめるスケーラブル データサイエンス
企業のデータの大部分は構造化されたテーブルに格納されており、これらは最もミッション クリティカルなビジネス上の課題に取り組むために不可欠なものです。このセッションでは、機械学習や AI のリソースが限られた環境でも、BigQuery ML と AutoML を活用して ML モデルを高速かつ自動的に構築および展開する方法を学びます。
その他も
セッション
ページにて、ぜひ詳細をご確認ください。なお、各セッションは定員に達し次第、登録を締め切らせていただきます。気になるセッションがございましたら、お早めにご登録ください。
Expo
展示エリア EXPO では、最新のクラウド技術を体験できる Google Cloud のデモブースと、クラウドを使って独自のサービスを展開するスポンサー企業様のブース、合わせて 20 ブースをご用意しています。
こちらでは、Google Cloud Summit ’19 in 大阪 にて初お披露目されるものを含めた、3 ブースをピックアップしてご紹介します。
Factory Line Analytics
< 初公開 > 工場の生産ラインに見立てたデモです。生産ラインでの AI を使った効率化がどのよう行われているかをお見せすると共に GCP を活用すると、ML モデルを簡単に開発できたり、セキュリティを高められることを、学ぶことができます。
SAP on GCP
Google Cloud が完全仮想インフラストラクチャを使用して、どのように SAP を実行できるかを学ぶことができます。
Data Warehouse リアルタイム データ分析プラットフォーム
リアルタイムなデータ分析プラットフォームのデモをご紹介します。POS データの取り込みからデータ加工・監視までのシステム全体像と、店舗別・商品別の売上情報の可視化をご覧いただけます。また、BigQuery GIS による地理情報を使った分析や、BigQuery ML を活用して特定商品のクーポンをどの地域に配布することが効果的か?という機械学習の予測モデルを、BigQuery でどのように作成できるかご紹介します。
その他にも、Google Cloud の技術エキスパートに直接会って話すことができる Ask the Expert ブースや、入門レベル〜中級レベルまで、G Suite / GCP を分かりやすくご紹介するオープンステージ セッション、実際に GCP Console を使って、Google Cloud のサービスを体験できるハンズオンラボなどもあります。
イベント登録
をされている方であれば、どなたでも参加可能です。ぜひお気軽にお越しください。
IT の専門家、技術者、専門知識の量や関心のある分野を問わず、すべての方にとって価値のあるイベントになっています。Google Cloud Summit '19 に参加し、クラウドについて語り合いましょう。
皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。
イベント概要
イベント名: Google Summit ‘19 in 大阪
ウェブサイト:
https://inthecloud.withgoogle.com/summit-osa-19/
日程: 2019 年 9 月 25 日(水)
時間:開場 8:30 基調講演 9:30 〜 11:30 / セッション 12:50 〜 18:10
(**時間は変更になることがございます)
お問い合わせ先:
Google Cloud Summit in 大阪 運営事務局
SummitOsaka_info@google.com
Posted by
Takuo Suzuki - Developer Relations Team
INEVITABLE ja night 開催レポート - テックカンファレンスから見るテクノロジーの不可避な流れ(後編)
2019年9月6日金曜日
Google Cloud に代表されるクラウド技術の進化が引き起こすその先の世界を、機械学習、VR / AR、IoT などの領域で活躍されている方々と一緒に議論するイベント「INEVITABLE ja night」。
2019 年 6 月 25 日に開催した第 9 回目は「デベロッパーカンファレンスから読み解くテクノロジーの不可避な流れ」がテーマでした。対談では、国内外のデベロッパーカンファレンスに数多く参加されている 及川卓也さん(Tably 株式会社 代表取締役 Technology Enabler)をお迎えし、次々に登場する新しいテクノロジーがビジネスをどのように変えていくのか、その潮流について語っていただきました。後編では、海外と日本のカンファレンスの違いを中心に語っていただきました(前編は
こちら
)。
海外と日本のカンファレンスの違い
小島:ちょっと話題を変えて、海外と日本のカンファレンスの違いをお聞きしたいと思います。日本のカンファレンスの印象はいかがですか?海外のカンファレンスと比べて、日本のカンファレンスはここが大きく違うという点はどこにあるでしょうか?
及川:コミュニティに関連するものは結構出ているのですが、企業が主催するプライベートカンファレンスへの参加は少ないです。過去、マイクロソフトの開発者イベント「 de:code 」に参加したことはあります。コミュニティ系のものも企業主催のものも、私の印象としては、参加者が受け身に見えてしまうんですよね。
小島:セッションを聴きに来ている、表現はさておき、先生と生徒みたいな関係ってことですか?
及川:そうです。海外のカンファレンスでは、会場の中央付近にマイクスタンドがあって、質問をしたい人はそこに並んで、講演者が順番に質問を受けていくんです。ずらっと並ぶんですよね。例えば、40 分のセッションで 20 分で講演が終わると、残り 20 分間はずっと質疑応答ということはよくあることです。最近の Google I/O や Cloud Next では、会場で質問を受けるというよりは、オンラインで受けるシステムに変わっていますが。
しかし、日本では参加者が大勢の前で質問をすることは稀ですよね。また、講演者に挨拶にいったり名刺交換をする人はたくさんいますが、質問もコメントもしない方が多いじゃないですか。こういう点が受け身と感じているところです。
小島:受け身な姿勢だと、どんな点がまずいのでしょうか? de:code を例にすれば、本国(US)で発表されたことを日本語化してきちんと伝えているわけですよね。
及川:そもそもコンテンツというのは壇上から講演者が参加者に対して一方的に与えるものでは無くて、例えば、参加者からの質問もコンテンツを作る上で非常に重要なんです。その質問は質問者以外の人にとっても意味がある場合がありますからね。講演が終わって個別に質問する人は、これは自分だけが聞きたかったことだと思い込んでいるかもしれませんが、多く場合、他の人にも参考になるんです。つまり、コンテンツは主催者と参加者双方で作っていくものなんです。また、話す側からすると受け身の姿勢の方と積極的に参加しようとされている方では、こちらへの熱意が全然違いますよね。
小島:受け身姿勢の方にはなんかパワーが吸い取られている感じするんですよね。
及川:腕組みをして機嫌が悪そうな顔をして、講演者を睨んでいるような人っているじゃないですか。そういう方が相手だと、こちらもできるだけ早く終わりたいな、言いたいことだけ言ってさっさと終わりにしようという気持ちになってしまうわけです。
小島:聴衆者の振る舞いで、こちらの引き出しの使い方も変わるということですね。
及川:私も小島さんもこういう場で話をして緊張するタイプではないですが、でも緊張してる人はできるだけその緊張を緩和させてあげる方がいいんですよ。つまんない冗談でも笑う、これとても大事です。自分が同意できることに対しては積極的にうなずくことも大事ですね。
小島:うなずいてくれるとテンポがよくなるんですよね。
及川:話す側からはこうした反応が全て見えるので、話す内容を変えることもあります。講演に慣れている人は、どうもこれは通じていないなと思ったら説明を補足しますし、どうやらわかってるなと感じたら割愛もします。聴衆側が積極的に参加することで、そのセッションの内容は深まっていくと思うんですよ。日本のカンファレンスではそこが少し足りないかなという印象です。
小島:日本のカンファレンスのあり方と言うよりもオーディエンスの方がもうちょっと変わったほうがいい、もっと引き出せるものがあるんじゃないかということですね。
及川:それから、外資系企業の例ですけど、本国では参加費が有料、でも日本では無料というところが多いですよね。
小島:無料にすると、本社(US)から降りてくる目標値を達成しやすいということもあります。もちろん、有料化した方がいろいろな面で質は高くなるだろうという期待はあるのですが、二の足を踏んでしまうんですよね。
及川:その点は理解できるのですが、先程話した参加者が受け身になりがちというところに通じるものがあるのではないでしょうか。お金を払ったら元を取ろうと思いますよね。参加費を会社が払ったか、自腹かに関わらず、私だったら、払った分を絶対に取り戻してやろうと思うわけです。そこできちんと吸収しようとね。すると講演を聞く姿勢も変わってきます。すべてが無料という状況はどうかなあと思いますね。
小島:自分ゴト化するときに有料カンファレンスって実は大事なことかもしれないですね。質問しやすい雰囲気作りは参加者の人にその気持ちがないとなかなか成り立たないですよね。
及川:今の日本では、有料化が難しくなってきていますね。これに限らずコンテンツにお金を払う習慣がいつしか失われた気がします。
小島:テクノロジー知識のデフレ化が進んでいると。
及川:そう思います。経済回さないと。お金は払う。お金を払ったら取り戻しましょう。その分みんな稼げばいいんじゃないか、と思うところもあります。このままデフレが続くとコンテンツの質も下がるのではないかと危惧しています。
なぜカンファレンスに参加するのか
小島:どうしたら及川さんのように視座の高いテーブルの上から物が見えるようになるのでしょうか。ヒントをいただけますか。
及川:私の視座が高いかどうか、自分ではよくわからないので、使えるところだけ使ってもらえればよいのですが。
そもそも、国内外のカンファレンスに自らの足を運ぶ目的はコンテンツだけではありません。コンテンツだけなら、たとえば、Google I/O はライブ配信で見れますし、数時間後にはほぼすべてのセッションの動画が YouTube に上がっています。F8 も 1 週間後にはセッション動画が上がっていました。後から見られれば充分なんです。しかし、その場にいることが大切です。私と同じような方、もしくは私よりも若くて優秀な Google テクノロジを使うエンジニアがそこに集まって、そのコンテンツを聞いたときにどう反応しているか、 ここでみんなが熱狂しているとか。また逆に、会場全体がなんとなくつまらない雰囲気で、ステージから「今日は皆これあげるよー」の後、「おー」と会場が盛り上がったりすると、今日は自分としては興味をそそられる内容じゃなかったけれど、実はみんな同じことを思っていたんだとか、そういうことを知りたいわけです。その場にいなければ、わからないことはたくさんあります。
参加者の意見をそこで聞けるというのもありますね。このように、行かないとわからないところもあり、だから時間作って参加しようという気持ちになるのです。
小島:全員が参加できるわけではないので、参加したらやったほうが良いことは何でしょうか?
及川:参加した人は、ハッシュタグをつけてツイートすることですね。つまり、アウトプットです。人間はアウトプットしないと成長できないというのが私の信条です。
小島:そこは共感できます。たくさんインプットをもらった後、アウトプットしようかということになりがちですが、この状態では絶対にアウトプットはできないと思っています。まずは、アウトプットして、その反応を見てから、次のインプットを行い、またアウトプットする・・・この方が絶対良いですよね。
及川:マラソンにしても水泳にしても吐いてから吸うんですよね。吐かないと吸えないわけです。最初に何をするかはさておいて、アウトプットの場を作ってしまい、継続的にアウトプットしていくようにすると嫌でもインプットをすることになります。
小島:そうですね。僕はよく発表すると10 倍リターンありますよという話をします。アウトプットするというのは自己紹介のようなものですから、周りに認知されるわけです。後のネットワーキングが非常に楽になります。
個々の技術トレンドを知ることも重要ですが、もし、その場に行くことができるならば、そこでのインプットは必ずアウトプットするべきです。そしてまたインプットして、アウトプットする。この連鎖を続けることでいろいろな事が見えてきます。
及川:少なくとも、アウトプットしないとインプットできません。もし、アウトプット先が無い場合、インプットしたとしてもそのインプットの質は落ちると思うんですね。質問することを前提に人の話を聞くと、全然違うんですよ。質問しようと思っていたことが、先に解説されてしまっても良い。、そうしたら他の質問を考えるだけで、インプットの質があがると思います。
小島:ありがとうございます。少し時間もあるので、会場から質問をを受けたいと思います。
Q&A - どんなカンファレンスに参加しますか?
質問者:どういう基準で行くカンファレンスを決めていますか?
及川:門外漢のカンファレンスですと、やはりインプットもなかなか難しいですね。
そこで、少なくとも自分がある程度の活動している分野を選びます。キーとなるテーマを決めて、事前に理解した上で参加するかしないかを判断します。
小島:例えば、AI に興味を持ったときは、AI 軸でいくつかのカンファレンスで見ようとか、吸収しやすとか、アウトプットのしやすさという観点もありますよね。
及川:私の場合、Google のテクノロジーを長年見ているので、定点観測ができます。Cloud Next、Google I/O、年によっては Chrome Dev Summit にも参加します。そうすると同じ技術テーマであっても、内容がどう変わったかがわかります。「Google」という会社に絞っても良いですし、気になっている技術テーマがあれば、それを取り上げている企業イベントに参加するのもありです。テクノロジーではなくて、マーケット系のイベントでもあるでしょう。また、こうした興味・関心と少し違うところを狙って、カバレッジを広げていくことも大切です。
小島:わりと大きめの会社が初めて開催するイベントは狙い目です。イベントの企画、運営、稟議を通すことに関わってきた経験から申し上げると、初回というのが企画の趣旨、コンセプトに一番忠実で、しかも背伸びをするんですよね。持っているカード全部切ってしまうことが多いので、大変お得です。どうやらこの会社が何か新しいカンファレンスを開催するらしい、面白そうだと思ったら、ぜひ参加してみましょう。
Q&A - 面白かったコンテンツは?
質問者:これは面白かったというコンテンツを教えてください。私個人は、エストニアで行われたスタートアップイベントで、投資家が自らをアピールしそれを起業家が審査するというものが面白かったです。
小島:要は生徒が先生を審査するというものですね。私が面白いと思った最近のイベントは re:MARS です。この MARS を火星(MARS)にかけて、ステージでは『オデッセイ』(原題: The Martian)のマットデイモンが登場と思いきや、実はそこにはアイアンマンのロバート・ダウニー・Jr. が登場。お前はマット・デイモンの代役だと散々コケにされながらも、映画の中で、アイアンマンと相棒ジャービス(J.A.R.V.I.S)が会話しているように、ステージでは Alexa とロバート・ダウニー・Jr. が会話をはじめます。テックカンファレンスの文脈でその会話は続くわけですが、それすごく豪華だなと思いました。こうしたエンターテイメントは日本ではなかなか実現できないことです。アメリカの超一線級を連れてくるというのはなんか振り切っていていいなと思いました。
及川:ライブコーティングは面白いコンテンツですね。Google I/O でも、ここ数年やっています。たとえば、Firebase を使ったり、Android だったり、ウェブだったり。タイムキーパーもいて、解説しながらライブコーディングが進行し、しかも結構ガチに競い合っていて、迫力を感じます。
Q&A - 海外と日本のコンテンツの違いは?
質問者:海外と日本でコンテンツに違いはあるのでしょうか?お話にもあったように、日本は無料のカンファレンスが多くて、万人受けする当たり障りのないものが多いイメージがあります。
及川:Cloud Next Tokyo に参加したことが無いので、単純比較はできないですが、米国で開催された Cloud Next と似ているところも、違うところもありますね。開催規模も対象者も違いますからね。
また、講演者がその製品の開発者自身が喋るかどうかという点に違いがあります。日本法人の社員がその製品について十分に理解して話をしたとしても、そこは開発者ではないので内容に違いが出てくるのは仕方ないことかもしれません。なので、開発した当事者の話を聞けるというはとても貴重なことです。
たとえば、今年の Cloud Next Tokyo には、ウルス ヘルツルが来日します。彼は、Google の 8 番目の社員で「The Datacenter as a Computer」の著者の一人です。
なぜ、こういう人が来日するかといえば、マーケットが大きいからなんです。しかし、日本は少子化もあり今後マーケットは小さくなると言われています。今年は来日したけれど、来年は来るのか、いやそもそもイベントが中止になる可能性も否定できません。
そこで、参加者の皆さんは、イベントの主催者、運営者に対してフィードバックを行い、そのイベントの価値をきちんと示していかないと、次はアジアの他の国に行ってしまいます。先程申し上げたように、できるだけ皆さん積極的に参加して、そこできちっと価値を生み出して頂きたいと思います。
さらには、同時通訳無しで英語のコンテンツをそのまま利用できる状況ができれば、もっと良いセッションを組むことができます。運営側にとってもメリットがありますね。英語のコンテンツを聞けるようになるといいんじゃないかなと思いますね。
小島:あと、聴衆者のレベルにあわせたコンテンツの提供ですね。海外のカンファレンスでは初心者向けは 101、中級レベルだとこれこれ、というようにどのレベルの人向けかを明確にしています。ご質問にもあったように、日本では比較的ジェネラルな内容にする傾向があるようです。イベント主催者・運営者側により深い内容を求めることをみなさんが積極的に行っていけば、おのずと変わってくるんじゃないでしょうか。カンファレンスは参加者とともに育てていけば、いろいろなことが変わると思います。
ということで、時間がいっぱいいっぱいになってしまいましたので以上で終了となります。ありがとうございました!
Posted by
Takuo Suzuki - Developer Relations Team
INEVITABLE ja night 開催レポート - テックカンファレンスから見るテクノロジーの不可避な流れ(前編)
2019年9月5日木曜日
Google Cloud に代表されるクラウド技術の進化が引き起こすその先の世界を、機械学習、VR / AR、IoT などの領域で活躍されている方々と一緒に議論するイベント「
INEVITABLE ja night
」。
2019 年 6 月 25 日に開催した第 9 回目は「デベロッパー カンファレンスから読み解くテクノロジーの不可避な流れ」がテーマでした。対談では、国内外のデベロッパー カンファレンスに数多く参加されている 及川卓也さん(Tably株式会社 代表取締役 Technology Enabler)をお迎えし、次々に登場する新しいテクノロジーがビジネスをどのように変えていくのか、その潮流について語っていただきました。
大型化するテックカンファレンス
小島:2019 年前半、海外では多くの IT 分野のカンファレンスが開催されました。Google 主催では、Cloud Next(サンフランシスコ)と Google I/O 、Facebook の F8、Apple の WWDC などがありました。プライベート カンファレンス以外ですと、SXSW、Game Developers Conference が 3 月に開催されました。この中で、今年、及川さんはどれに参加されましたか?
及川:Cloud Next と Google I/O、あとは F8 ですね。
小島:私は、Amazonの「re:MARS」という機械学習やロボティクスにフォーカスしたイベントに参加しました。今回初めての開催です。ここのところ特定のプラットフォーマーが多くのカンファレンスやるようになっていますよね。
及川:やはり、プラットフォーマーとしては、自分にロックインさせる、プラットフォーマーとしての支配力を高めたい思いがありますからね。しかし一方で、最近はそのプラットフォーマーに対しての風当たりが強いので、自社が保有する技術を公開して、自社だけではなく、本当の意味でのエコシステム、社会全体を良くしようという動きも出ています。議論の場を設けたり、自分たちのもっているノウハウや経験を公開する意味でカンファレンスも規模が大きくなっています。
小島:re:MARS は、Amazon が初めて開催したカンファレンスです。Amazon が実際にロボティクスや、機械学習、AI をどのように使っているかを知る良い機会となりました。Amazon GO の担当役員が公の場で話をするんですよ。こういうことをやらない会社だったので個人的には結構衝撃を受けました。(詳しくは、「
火星(M・A・R・S)時代への不可避な流れを確信する -- Amazon re:MARS 2019 参戦記
」)今、及川さんの話を聞いていて、デベロッパーに対して、自分たちが何をやっているかの話をすると、正しく世の中に伝わり、理解してもらえるのではないかと、ふと思いました。
及川:技術を駆使して作られた製品が、どのように世の中で使われているのかを理解する上で、その技術や製品を作っている人の顔が見えることは大事ではないかと思っています。すごい製品であることは理解していたとしても、誰が作っているかわからない、顔が見えないというのは・・・かつて、Amazon やマイクロソフトは営業やマーケティングの方は表に出てきていましたが、開発部隊が表に出てくることはあまりなかったと思います。そもそも人数が少なかったわけですが、それが最近になり公の場で話を聞く機会が増えてきました。利用者と同じ目線で話をすれば、それは人間同士、理解も深まるというものです。
小島::そういう人を見る場としてカンファレンスがあるというわけですね。
及川:エバンジェリストやアドボケイトという立場の方が最近いろいろな会社にいますよね。エバンジェリストというと先生に近くて、どちらかというと一方的に伝えるという立場ですね。しかし、後でお話しますが、そこはどちらかといえば双方向のコミュニケーションが大事になってきます。
小島:及川さんがツイートをするのは、この双方向のコミュニケーションを大事にされているからですね。
及川:海外のカンファレンスに参加する場合、多くは到着した翌日からの参加になるので、時差ボケもあって眠いんですよ。でも遠路はるばるやってきたのだから、寝てしまってはダメじゃ無いですか。そこで、眠気防止も兼ねてひたすらアウトプットし続けます。(「
facebook 新サービス発表 f8まとめ (及川さんのツイート感謝!)
」)。また、こうすると後で振り返るときに役に立つんですよね。このアウトプットを見ればすぐに思い出すこともできますしね。特に、F8 は日本からの参加者が少なかったので、結構いろいろな人に見てもらえましたね。
AI とプライバシーの不可避な流れ
小島:事前打合せで「プライバシーと AI 」が話題の一つにあがりました。及川さん、このお話をしていただけますか?
及川:F8 のキーノートでマーク ザッカーバーグが冒頭の 20 分ぐらいかけて、「Facebook はプライバシーを守ります。これが Facebook のネクストチャプターです」という、つまり企業姿勢を語りました。その後、開発プロセスをどう変えていくのか、個別のサービス、例えば、Messenger、WhatsApp、Instagram をどう進化させるかという話が続きました。
小島:結構具体的な話があったのですね。
及川:冒頭 20 分はポジショントークでしたが、その後は各製品の紹介の中にプライバシーの方針、「我々はこういうところでセキュリティーを強化しています」を語っていました。「サービスをこのように実装しています」とか「いつごろ展開予定です」とか、具体的な話でした。ここのところ、Facebook に対する風当たりが強いので真剣そのものでした。社長が出てきて 20 分喋ればどうにかなるだろうという感じではなく、事態を真摯に捉え、「我々はやり方をこう変えます」という中身を持って話しているという印象を強く感じました。
小島:F8 の後、Google I/O でしたね。
及川:Google I/O 初日の午前にキーノートがあり、登壇した スンダー ピチャイからもGoogle はプライバシーを重視しますという発言がありました。また、いくつかのセッションで、「
People+AI
」というガイドブックを紹介していました。Google がこれまで経験してきたものをベストプラクティスとしてをまとめたものです。ユーザーを中心とした AI 製品を開発する際に役立つ情報で、どういう風に製品作りを進めていけばいいかを整理して公開しています。
小島:Facebook と Google というプラットフォーマーの立ち位置の違いを反映している気がしますね。Facebook はサービス提供者そのもので、どのようにサービスを実装しているかに焦点を置いていますよね。一方、 Google は、自社のサービスを解放してその上に新しいサービスを作ってもらおうという立場なので、ガイドブックという形で知見を提供しているわけですね。
及川:Facebook の場合、取り組みの姿勢や取り組んでいるテーマに加えて、実際の技術についても触れています。例えば、フェイクニュース対策としてファクト チェックを強化しています。人を攻撃するような内容をいかに発見し、抑えるかという技術も開発しています。Google の場合、AI でいかに公正なものを追求していくかということをやっていて、技術的に細かいところは違いますが、目指しているところは Facebook と同じといえるでしょう。
ただ、小島さんが指摘された通り、Facebook はデベロッパー プラットフォームではないので、自分たちがやっていることを公開したとしても、せいぜいその成果はオープンソースでここ見てください、このライブラリ使えますよ、っていうことに過ぎません。一方、Google の場合にはガイドラインをプラットフォームの機能の一部として提供していくことができるので、そこはその立ち位置の違いはあるかなと思います。
小島:AI をテーマに取り上げると、その精度がどうなのか、学習するためにどの程度のデータがあればいいのか、どのモデリング手法を使えば良いのかといった、技術や手法が注目されがちですが、もうそこの議論ではなくて、それらを使って何をどう実装できるのか、そういうレベルですよね。さらに、できているものについては、現在の社会や利用者の期待値とどう折り合いをつけるのか、ここが AI の精度以上に求められていると感じています。
及川: とはいえ、実際には精度も非常に重要です。このガイドブックに関連するセッションは、結構多くあったのですが、過去、Google もいろいろな失敗もしていて、その失敗から学び、改善することをスピード感を持ってやってきました。決して失敗は悪いことではないんです。
小島:Amazon にも、Fail First という言葉があるくらいです。プラットフォーマーは、早く取り組むことで壁にも早くぶち当たる、そこからどう学んで、次に進むか、この一連の行動が非常に早いですよね。
及川:一つ面白い例があります。
Google 翻訳
をご存知の方は多いと思いますが、画面の左側に元言語があって、右側に翻訳した文が出てきます。あるトルコ語の文章を英語に翻訳した時に、”he is a doctor, she is a nurse”と出てきたんです。でも、これって実は誤りなんですよね。なぜかというと、トルコ語には第三人称単数に性別がないのです。
小島:つまり、原文からは he なのか she なのかは本当はわからないということですね。
及川:そうなんです。そもそも、性別不明なものを主語としているにも関わらず、doctor だったら男性で nurse だったら女性だ、というバイアスがかかってしまっているんです。これはアルゴリズムだけの問題ではもちろんありません。セッションの中で具体的に説明していましたが、機械学習のパイプライン中の、データセット、アノテーション、アルゴリズム、モデル作りの際のパラメータ設定など、すべてのステージでヒューマンバイアスが入り込むリスクがあるのです。
小島:だって、もともとバイアスかかったデータを食べていますから、そうなるってことですね。
及川:なので、こう言った場合、
男性医師を示すデータが多かったとしても、そこに性別を入れないためにはどうすればいいか?というところで彼らはテクニックを生み出したんです。そういったノウハウを公開してくれているんですね。
(注:前述の例についての
Google 翻訳の結果
)
小島:データをちゃんと見るだけじゃなくて、バイアスを取り除くようなアプローチも結構必要だ、ということなんですね。
AI と機械学習の関係を正しく理解する
小島:海外カンファレンスでは AI が主要テーマであることは間違いありません。今回参加した、re:MARS も例外ではありません。そこで印象に残ったことがいくつかあります。一つは、AI と機械学習をはっきり区別して考えるべきだという点です。機械学習はモデルを作るテクノロジーであって、そのモデルをどう使ってインテリジェンスな振る舞いに実装するかが AI だということです。もう一つが AI が目指すところです。iRobot の CEO の説明が非常にわかりやすかったです。AI は必ずしもヒューマン インテリジェンスではなくて良いという主張です。自動的な振る舞い、レスポンシブな応答、複数のAIでの協調など、少しずつ複雑な振る舞いになっていくわけですが、これがインテリジェンスである必要はないということです。日本では、AI を議論するとどうしてもシンギュラリティーが話題となり、「人間の仕事が奪われてしまう」という方向に流れてしまいますが、そこではないということですね。
ところで、機械学習とAIに対するこの見方について、及川さんはどう思われますか?
及川:おっしゃるとおり、AI が機械学習とイコールというわけではありません。しかし、最近は、AI と機械学習がほぼ同じものとして語られてしまっているケースがあります。これは改めるべきです。先ほどのレイヤーで分ける方法でも、包含関係で分ける方法もあるでしょう。いずれにせよ、技術を話すときは区別したほうが良いでしょう。
小島:インテリジェンスな振る舞いを分けていくとわかりやすくて、AI を人間の置き換えで見てしまうと混乱するのですが、因数分解するとこんな感じでその機械学習とか AI とか見られるのかなと思いますこの辺も読み取っていくといいんじゃないでしょうかと思います。
注目のテクノロジー エリア
小島:では次に移りましょう。及川さんの視座を借りて、これは気にかけておいた方が良いというテクノロジーを聞いてみたいと思います。今日は冒頭で AI について話しました。他に気になっているものは何でしょうか?
及川:ID、FinTech に含まれるペイメント系が気になりますね。いずれもインフラといって良いものです。Apple ID や Apple Pay の動きは非常に気になっています。
小島:実体経済がデジタル化すると、あなたは誰ですかっていうことと、支払いはちゃんとできますかが絶対的に必要ですね。もはやデジタルの中で決済することが主流になりつつありますし。
及川:サイバーフィジカル システムという、リアルとネットの融合はいろいろなところで進んでいます。Apple IDしかり、Apple Pay しかり。デジタルの世界の中だけではありません。リアル店舗でも使えます。
小島:そうすると、Google アカウントと Google Pay がセットになっているのも同じような文脈ですね。これら 2 つが入ってこないとなかなか難しい。Amazon はもともと e コマースからスタートしているから ID と決済を紐づけています。
及川:ウェブの世界でも WebAuthn と Web Payments がありますね。
小島:ロボティクスはどうですか。
及川:Amazon はロボティックス・チャレンジを開催していて日本の大学や研究機関も数多く参加してますよね。産業界ではロボティックスが、今後ますます発展することは当然ですが、一方、コンシューマー向けのロボティクスはどうかというと、お掃除ロボット以外にこれといったものが出ておらず、日本人が好きなヒューマノイドみたいなものがいつ日本に普及するのか、そもそも普及する必要性あるのか、そういう印象です。
小島:確かに日本の工場ラインにあるロボットって非常に高機能・高性能ですよね。Single purpose ではすごく強いけれど、汎用目的ではまだ開発段階ですね。お掃除ロボットは日本から最初に出ても良かった気がするのですが、実際は iRobot が初めてですよね。コンシューマーで使われるテクノロジーはものすごいスピードで進化しています。re:MARS でも iRobot CEO がかなり深い話をして、お掃除ロボットの会社の CEO とは思えないほど技術の詳しい話をするんですよね。ああいうのはやっぱり人々の生活で民生で鍛えられてかなり進化が進んでいるなって感じがします。
及川:昨年の Google I/O では話題になっていたけれど、今年は耳にしなかったものも、気になるといえば気になりましたね。Android Things とかどうなってしまったのかなーって。
小島:それは懇親会のネタとしましょう(笑)
AI と組み合わせると面白いことは何か
小島:事前のお話で、AI と組み合わせて考えるべきことを 3 つほどあげていただきました。
VUI
エッジデバイス
アクセプタンス
3 つめは、テクノロジーというより、社会にどう受容されるかという話ですが、ユースケースとしてインパクトも大きいということで上げていただきました。これらについて、少しお話いただけますか?
及川:VUI は、Alexa や Google Home といったスマートスピーカーに関わるテクノロジーです。ただ、ここで言う VUI はもっと広範なものを意味しています。例えば、コンピューターの操作において、横長のディスプレイ、キーボード、マウスからはまだまだ離れられません。スマートフォンの登場によって多少変わりましたが、根本的なところは変わりはありません。
小島:ソフトウェアキーボードというものがありますね。
及川:本来、コミュニケーションの際に音声や映像が主体ですから、実はもっと便利になるべきだと思っています。
小島:ボイスユーザ インターフェースの部分がですか?
及川:そうです。音声認識技術やテキストから音声を合成する技術を見ると、そのパフォーマンスも品質もとんでもないレベルに達しています。マイクロソフトの de:code のキーノートで、HoloLens のデモがありました。ご覧になった方もいるかもしれません。HoloLens の開発者であるキップマン氏と彼のホログラムが我々には見えています。AI を使って、彼が話している英語を文字にし、リアルタイムで翻訳してTTS(テキスト・トゥー・スピーチ)の技術で日本語を喋らせるというデモを披露しました。リアルタイムでやったんですよ。
小島:あれ結構精度が良くてみんな驚いたみたいですね。
及川:とんでもなかったです、あれは、まさに「ほんやくコンニャク」でしたね。
小島:今、笑われた方は世代がわかりますね。
及川:ドラえもんなので、どの世代でも通じるはずですね。
そして、その次のエッジデバイスに関係するのですが、Facebook は Portal というデバイスを開発しています。Messenger や WhatsApp で友人や家族とおしゃべりできるというものです。スマートカメラが話者を特定して、トラッキングしズームにも対応します。開発中のものを実際に見たのですが、2 年前はクラウド側で処理を行っていたんですよね。
小島:だから、遅延がちょっとある。
及川:そうなんです。オブジェクト ディテクションをすると映像がガタガタなんです。これでは使いものになりません。そこで、エッジ側で処理をすることでようやく商品となりました。Google I/O のキーノートのステージでデモされた Google アシスタントもパフォーマンスが良いと評判ですが、これも同様にエッジ側で処理しているからですね。このエッジデバイス、オフラインで動くところが、音声や映像のリアルタイム処理につながっていくわけです。
小島:AI と VUI とエッジデバイス。これらを重ねたエリアにはさまざまなユースケースがあるわけですね。できることがすごく増えるわけだから、この上でいろんなサービスとかユースケースを組んでいくと、今までなかったものを提供できますね。
及川:製品デザインも変わるでしょう。特に映像ですね。今まで目に見える視覚情報が中心でしたが、ユーザー体験に音声が加わるので、
Conversation design
というものが必要になってきます。会話をどうスムーズに流すかということです。Google のデザインスプリントでも、このあたりのデザインについて触れていますね。
小島:技術だけでなく、デザイン手法もセットに提供されないといけないということですね。
及川:Conversation design では、人と機械の間でスムーズな会話を実現するにはどういうパターンがあるかを考えるわけですが、ここで会話が脱線したらどうなるかも含めて、全部のフローを考えるんですよ。例えば、小島さんと私が背中合わせ(つまりお互いを見ない状態)で何かをしようとしたときに、片方が質問を行い、他方はそれに答えて、また質問し、それに答えるというように、一方がロボットになりきって会話を進めて行くわけです。
小島:いわゆるチューリング テストみたいなものですよね。
及川:そうこうするうちに、すごいアシスタントができるわけですが、でもふと思ったんですよね。なぜ我々はこの努力を人間同士の会話に対してやらないのかと。Conversation design をうまく使えば、人と人とのコミュニケーションの質も上がるかもしれません。
小島:人と話しても通じないけれど、AI とだったらきちんとした会話になるということですね。一定の品質を持つモデルがもしできたとすれば、それをコピーして使えば良いので、いろいろなところでサービスの品質も向上しますね。
及川:それが、アクセプタンスです。人よりも機械の方が話しやすいことはありますね。
私は電話があまり得意ではないので、例えば、サービスセンターに電話をかけるのは嫌なんですよ。多少遅くても、メールやチャットの方が良いと思っています。電話が良いのか、あるいはメールやチャットが良いのか、人それぞれですが、選べるということが重要ですね。また、徐々に機械の方が好ましいことも増えてきています。きちんとデザインし、使ってもらえるようにすることが、新しいテクノロジーが社会に受容されていく上で必要です。
小島:アクセプタンスは、テクノロジーを使って何かを実装したときにすごく大事になるってことですよね。
及川:極端なこと言うと、AI によって予測精度がものすごく高くなったとしても、その高い予測精度をいきなり出したことで人を不安に陥れるのであればそれはやるべきではありません。
小島:Google Duplex も AI が会話しますって初めに宣言しないといけません。それが自然っていうことですね。サービス提供者はどうやってコンセンサスを利用者から得るかもしっかり考えるべきですね。
(
後編
に続く)
Posted by
Takuo Suzuki - Developer Relations Team
AdWords および Google Ads API での平均掲載順位指標の提供終了について
2019年9月4日水曜日
この記事は David Wihl による Google Ads Developer Blog の記事 "
Sunset of the Average Position Metric in AdWords and Google Ads APIs
" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
アップデート(2019 年 7 月 30 日): 提供終了スケジュールを明示しました。
2019 年 9 月 30 日の週に、
平均掲載順位指標
の提供が終了します。この変更は、今年 2 月に
Google 広告ヘルプセンター
でお知らせしました。これに代わる新しい方法は、2018 年 11 月の
ブログ投稿
で説明しています。提供が終了すると、平均掲載順位のリクエスト(
AdWords API
、
Google Ads API
)は NULL 値を返すようになります。
AdWords API v201809 では、NULL 値は
2 連続ダッシュ
として返されます。Google Ads API では、NULL は
NullValue
として返されます。
ValueTrack パラメータ
を使っている方は、トラッキング テンプレートから ValueTrack パラメータ {adposition} を削除してください。平均掲載順位の提供が終了すると、ValueTrack パラメータ {adposition} は空文字列を返すようになります。
なお、現在
ベータ
版の Google Ads API からは既に平均掲載順位が削除されていますが、以前の V1_x バージョンではアクセスできます。
平均掲載順位の代わりには、新しい指標である
「ページ最上部インプレッションの割合」と「ページ上部インプレッションの割合」
を使うことをお勧めします。新しい指標は以下のとおりです。
最上部指標
AdWords API
Google Ads API
AbsoluteTopImpressionPercentage
absolute_top_impression_percentage
SearchAbsoluteTopImpressionShare
search_absolute_top_impression_share
SearchBudgetLostAbsoluteTopImpressionShare
search_budget_lost_absolute_top_impression_share
SearchRankLostAbsoluteTopImpressionShare
search_rank_lost_absolute_top_impression_share
上部指標
AdWords API
Google Ads API
TopImpressionPercentage
top_impression_percentage
SearchTopImpressionShare
search_top_impression_share
SearchBudgetLostTopImpressionShare
search_budget_lost_top_impression_share
SearchRankLostTopImpressionShare
search_rank_lost_top_impression_share
質問がある場合は、いつものように
デベロッパー フォーラム
から遠慮なくご連絡ください。
Google Ads API チーム、
David Wihl
Reviewed by
Thanet Knack Praneenararat - Ads Developer Relations Team
Chrome による支払いが簡単に
2019年9月3日火曜日
この記事は Chrome プロダクト マネージャー、Sabine Borsay による Chromium Blog の記事 "
Easier Payments with Chrome
" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
ユーザーはウェブでのショッピングに高い期待を寄せています。それは、休暇の予約をする場合でも、人気のコンサートのチケットが売り切れる前に購入する場合でも変わりません。ユーザーが求めているのは、どんな端末を使っても、高速でシームレス、そして安全なショッピングができることです。
そこで本日(元記事公開時)より、Chrome による支払いの利便性を向上させています。ノートパソコンで Chrome にログインすれば、以前に Google アカウントに保存した支払い手段を使って支払いフォームに入力することができます。また、この機能は
Chrome 同期
をオンにしなくても使うことができます。さらに、Google Pay が利用できる場合は、Google アカウントに保存した支払い情報をすべての端末のログイン済みの Chrome から使うことができます。
主導権は常に皆さんにあります。ログインしている状態なら、Chrome は Google アカウントのカードを使うオプションを提示し、カードの CVC を確認します。アカウントに新しいカードを保存すると、Google Pay から追加情報が記載された確認メールが送信されます。アカウントのカード情報は、[Google Account] > [Payments & subscriptions] > [Payment methods] からいつでも管理や削除が可能です。
この新機能を使っても、Chrome 同期はオンになりません。もちろん、支払い方法の保存を端末のローカルのみにとどめたい場合は、そうすることもできます。[Chrome Settings] > [Payment methods] > [Add] からカードを追加してください。Google のウェブサイトにログインすると、Chrome にも同じアカウントでログインされます。
[Allow Chrome sign-in] をオフ
にすると、この機能を完全に無効にすることができます。
ブラウザを開くときは、必ず行いたいタスクがあるはずです。私たちが Chrome を構築したのは、検索、ウェブサイトの閲覧、商品の購入などの操作をできる限り高速かつ安全に行えるようにするためです。この機能も、皆さんの体験を改善する方法の 1 つです。
Reviewed by
Eiji Kitamura - Developer Relations Team
Google Developers ML Summit を 9 月 17 日、18 日に開催します
2019年9月3日火曜日
Google では、機械学習 に特化したイベント 「
Google Developers ML Summit
」を 9 月 17 日、18 日 (水) に開催します。
本イベントでは、Google I/O 2019 で公開した、
People+AI Guidebook
(有志の方が翻訳してくれた日本語ドキュメントは
こちら
) の内容を中心に、”Human-Centered AI Products” をキーワードに機械学習を活用したプロダクトを設計するうえでいかに人間中心設計を考慮するかについてのイベントとワークショップを 2 日に渡って行います。 ※ワークショップ、イベントそれぞれ参加可能です。
イベント概要
名 称 : Google Developers ML Summit vol 4
日 時 : 2019 年 9 月 18 日 ( 水 ) 10 : 00 - 17 : 00
会 場 : 六本木ヒルズ Google オフィス
〒106-6149 東京都港区六本木6丁目10番1号 六本木ヒルズ森タワー
アジェンダ
9:30 AM 受付開始
10:10 AM - 11:00 AM Socially Responsible AI : Practical Challenges and Lessons Learned (社会的責任とAI : 実践する上での課題と学び)
11:00 AM - 12:00 PM Fairness and Explainability in ML (機械学習における公平性と説明可能性)
12:00 PM - 1:00 PM Designing Human-Centered AI Products (人間中心設計な機械学習プロダクトの作り方)
1:00 PM - 2:00 PM ランチ
2:00 PM - 3:00 PM ML Kit x Material Design : Design Patterns for Mobile Machine Learning(ML Kit x Material Design : 機械学習を用いたモバイルアプリのデザインパターン)
3:00 PM - 4:00 PM Transparent AI: A Framework for ML Model Provenance, Usage & Fairness-Informed Evaluation
4:00 PM - 5:00 PM Q&A セッション
*アジェンダは変更になる可能性があります。
申込方法
本イベントへの申し込み、詳細につきましてはこちらの
サイト
をご覧ください。
※ 参加可能な方には後日参加証を送付いたします。
ワークショップ概要
名 称:Google Developers ML Summit ワークショップ
日 時: 2019 年 9 月 17 日 ( 火 ) 10 : 00 - 17 : 00
会 場:六本木ヒルズ Google オフィス
〒106-6149 東京都港区六本木6丁目10番1号 六本木ヒルズ森タワー
アジェンダ
10:00AM : 受付開始
10:30AM - 10:40AM : オープニング
10:40AM - 12:20PM : Workshop Part 1: “Designing Human-Centered AI Products”
12:20PM - 1:00PM : ランチ休憩 ランチは会場でご用意いたします
1:00PM - 2:40PM : Workshop Part 2: “Designing Human-Centered AI Products”
2:40PM - 3:00PM : 休憩
3:00PM - 4:40PM : Workshop Part 3: “Designing Human-Centered AI Products”
4:40PM - 5:00PM : フィードバックセッション
申込方法
ワークショップ申し込みフォームは
こちら
になります。
また、今回 People + AI Guidebook のチームが来日するので、直接ミーティングを通じて議論をしたい企業、団体等がございましたら、
こちらのフォーム
よりお申し込みください。 皆様の参加をお待ちしております。
Posted by
Takuo Suzuki - Developer Relations Team
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CDS Recap 2020
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chrome 98
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Chrome Custom Tab
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