この記事は Developer Advocate team による The Firebase Blog の記事
"Better code, fewer tokens: Introducing Agent Skills for Firebase"
を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
Antigravity、Gemini CLI、Claude Code、Cursor、あるいはその他の AI エージェントに対して、アプリに「サインイン画面を追加して」と依頼すると、エージェントはその(古くなっている可能性のある)基礎的なトレーニング データに頼るか、あるいはドキュメントを読み漁って適切な設定を見つけ出すためにトークンを消費しなければなりません。もし、エージェントに「正解」を即座に与えることができたらどうでしょうか?
いま、私たちはまさにそれを実現するために、「Agent Skills for Firebase」をリリースします。
Agent Skills(エージェント スキル)とは?
私たちは、人間と AI の両方の開発者が、より速く、より安全に、そしてより適切に制御しながら Firebase アプリを構築し運用できるようにしたいと考えています。Agent Skills とは、お好みの AI エージェントに提供できる専門的な指示とコンテキスト(文脈)のことで、エージェントが Firebase の細かなニュアンスを理解し、より効果的にタスクを実行できるように支援します。
Agent Skills の仕様 (英語)に対応している AI エージェントであれば、Agent Skills for Firebase を活用することで、より正確で安全、かつ本番環境に対応したコードを記述できるようになります。
エージェントが Firebase のドキュメント全体を一度に処理しようとするのではなく、Skills を使用することで、目の前のタスクに必要な情報だけを取り込むことが可能になります。これにより、トークンの消費量が抑えられ、コストが削減され、エージェントが出力する回答の正確性が向上します。
Agent Skills はどのようにトークンを節約するのか?
Agent Skills がない場合、ドメイン固有のコンテキスト(背景知識)を追加するということは、多くの場合、エージェントが必要なすべての情報を最初から与えることを意味します。そうなると、エージェントに質問を投げかける前に、何千ものトークンが消費されてしまう可能性があります。
Agent Skills を使えば、より細かな制御が可能になります。利用可能なスキルについての短い説明を与えるだけで、ドメイン固有のコンテキストが存在することをエージェントに知らせることができます。これらの説明に必要なトークンはごくわずかです。エージェントが作業を進める中で、タスクが提示された際にそのスキルを「有効化」するかどうかを自ら判断します。スキルが使用されなければ、追加のトークンを消費することはありません。エージェントがスキルを使用する場合でも、一度にすべてのドキュメントを読み込むわけではありません。タスクを完了するために必要な情報が得られるまで、スキル内のリファレンス ドキュメントを少しずつ読み進めることができます。このようにして、必要な分だけを使用するのです。
これを専門用語で「段階的開示(progressive disclosure)」と呼びます。
フルスタック Web アプリを簡単に構築しデプロイする
初期リリースにおいて、Agent Skills for Firebase は特にフルスタック Web 開発に最適化されています。これらの Skill を使用することで、AI エージェントは以下の作業を支援できるようになります。
プロジェクトとアプリのセットアップ : Firebase プロジェクトの自動セットアップと、Firebase を使用するためのアプリ構成の設定。
Authentication(認証): サインイン画面の追加とユーザーフローの管理。
Firestore : アプリ固有のデータニーズに基づいたデータベースの設計。
セキュリティルール : Firestore のデータを最初から保護するために必要なセキュリティ ルールの記述とデプロイ。
Firebase App Hosting : Web アプリケーションのワンステップでのデプロイ。
Firebase AI Logic : Gemini を活用した機能を統合し、インテリジェントでパーソナライズされたユーザー体験を構築。
その他 : これがすべてではありません。今後もさらに多くの Firebase 機能へのサポートを追加予定です。
これらの Skill は、一回で正確かつ安全なアプリケーションを構築するために必要な知識をエージェントに提供します。
AI 支援のための適切な道筋を選択する
ワークフローや使用するツールによって、AI 支援を通じた Firebase とのやり取りにはいくつかの方法があります。Firebase 開発者の皆様には、Agent Skills for Firebase と Firebase MCP ツールを併用することをお勧めします。
Agent Skills と MCP は補完的な機能であり、組み合わせて使用すべきものです。これは「専門知識(タスクのやり方を知っていること)」と「能力(実際にそれを行う能力があること)」の関係だと考えてください。Skills は、Firebase の使い方に関する信頼できる専門知識を LLM(大規模言語モデル)に提供します。一方、MCP は、Firebase サービスのセットアップ、構成、使用するためのツールを LLM に提供します。Agent Skills for Firebase は、複雑なタスクを効率的に達成するために Firebase CLI や Firebase MCP ツールを効果的に使いこなす方法をモデルに教えることができます。
Firebaseのエージェントスキル : Agent Skills は、トークン効率の良い段階的開示を通じて、Firebase のタスクを実行する方法をエージェントに伝える迅速な指示と推奨されるプラクティスを提供します。Firebase CLI や MCP サーバーなどのツールを効果的に使用するように AI エージェントを教育します。
Firebase MCP サーバー : AI 支援型開発ワークフロー向けに設計されており、LLM が Firebase プロジェクト、リソース、データとプログラムで対話できるようにします。
Firebase CLI : Firebase のプロジェクトや製品の管理、デプロイ、ローカル開発をハンズオンで行うための完全なコマンドラインツールであり、AI エージェントによって自動的に実行することも可能です。
「どれを使うべきか?」という問いに対する率直な答えをお探しなら、私たちは 3 つすべてをお勧めします。エージェントにこれらすべてのツールへのアクセス権を与えることで、エージェントがその仕事に最適なツールを選択できるようになります。
始めましょう
Agent Skills for Firebase をインストールするには、プロジェクトのディレクトリに移動して以下を実行してください。
※枠内をクリックすると全選択されます。
インストールしたいスキルを選択するよう促されます。現在のプロジェクトで利用する可能性のある Firebase 機能を選択してください。
次に、「どのエージェントにインストールしますか?」と尋ねられます。Agent Skills for Firebase は 30 以上のエージェントに対応しているため、お気に入りのコーディング エージェントで使用できます。皆様が Firebase アプリケーションを構築しているあらゆる場所で、私たちはお手伝いしたいと考えています。
さらに詳しく知り、フィードバックをお寄せください
スキルを詳しく調べたい、あるいはフィードバックを送りたいという方は、新しい GitHub の Skills リポジトリ(英語)でこれらの Agent Skills のソースコードを公開しています。今すぐ利用を開始して、Web 開発ワークフローを加速することができます。Firebase の AI 支援手段についてさらに詳しく知りたい場合は、「AI アシスタンスを使用して開発する(Developing with AI assistance)」のドキュメントをご覧ください。この分野は急速に変化しています。ツールの改良を続けていきますので、今後の動向にご注目ください。MCP が登場したのは 15 か月前、Agent Skills が登場したのは 4 か月前ですが、エージェントツールの次の進化がどうなるかは誰にもわかりません。
Posted by Sumit Chandel - Developer Advocate