その他の最近の Chrome の高速化には、主に 2 つの要素が貢献しています。それは、
V8 Sparkplug コンパイラとショート
ビルトイン呼び出しです。Sparkplug は V8 向けの新しい中間層 JavaScript コンパイラで、低いコンパイル オーバーヘッドで効率的なコードを生成します。ショート ビルトイン呼び出しは、V8
JavaScript エンジンが、生成されたコードをデバイスのメモリに最適な形で配置するために使います。関数呼び出しの際の間接ジャンプを防ぐことでパフォーマンスを向上させる技術で、Apple M1 ベースの Mac
で特に大きな効果を発揮します。
Android 版の Chrome もますます高速化しています。ブラウザのユーザー インターフェース
スレッドで、重要なナビゲーションが行われた瞬間にそのアクションを優先することで、ページの読み込みが 15% 速くなりました。昨年には、
フリーズドライ
タブを使うことで、Android 版の Chrome の起動時間が 13%
短縮されました。これは、読み込み時には軽量版のタブを使い、実際のタブはバックグラウンドで読み込むことで、全般的にリソースを節約するアプローチです。さらに、
Isolated Splits
の活用により、スピードとメモリ使用量も改善できました。これは、ブラウザ プロセスのコードの大半をバックグラウンド
スレッドでプリロードすることにより、起動時間を短縮する方法です。
ベンチマークは、ブラウザのスピードを測定する数多くの方法の 1 つにすぎません。最終的に最も重要なのは、Chrome
が日々の使用で実際に高速になり、効率が上がることです。そのため、私たちはこれからも、最先端コンピューティングの限界を広げる画期的なパフォーマンス改善に向けた取り組みを続けていきます。
Mac 統計情報のデータソース : Apple M1 Max 10 コア(8 パフォーマンス、2 効率性)、32 GPU コア、64 GB の MacBook Pro(14 インチ、2021)デバイスを電源に接続し、Speedometer 2.0 で Chrome 99.0.4812.0 --enable-features=CanvasOopRasterization --use-cmd-decoder=passthrough と Safari 15.2 17612.3.6.1.6 を比較したもの。
Android 統計情報のデータソース : Chrome クライアントから匿名で集計した実データ。