2008 年に Google Chrome をお披露目したとき、私たちの目的は高速で安全な使いやすいブラウザを作ることでした。10 年以上の間、私たちは拡大するエコシステムと連携しながら、ウェブのイノベーションを推し進め、ユーザーやデベロッパーがやりたいことをできる環境を構築してきました。その取り組みは今も続いています。
世界中の何十億という人々が Chrome を使っていると思うと、身が引き締まる思いです。私たちは、Chrome をさらに高速で安全に、そして誰にとっても便利で親しみやすいものにするため、絶え間ない挑戦を続けています。個人的には、HTTPS の採用を推進したこと、支払いやパスワードの管理機能を向上したこと、そしてすばらしい Chrome 拡張機能を作成するデベロッパーをサポートできたことが印象に残っています。つまり、無数の小さなアップデートが集まって、Chrome がどんどん改善されてゆくことを見るのは、大変感動的なことです。
先日、Chrome ブラウザ 100 回目のメジャー アップデートをお届けしました。そこで、この節目を機に、チームのメンバー数名にお気に入りの機能や改善点を聞いてみました。
シニア エンジニアリング ディレクター、Max Christoff
ブラウザがあまりにも速くて困るなどということはあり得ません。2008 年に Chrome が誕生して以来、私たちの作業の根幹はスピードであり続けています。10 年以上が経った今も、細部までエンジニアリングにこだわり、新しいパフォーマンス改善点を探し続けています。この 1 年半だけでも、Chrome をさらに 43% 高速にしています。しかし、電池やメモリがすぐになくなってしまえば、せっかくの世界最速ブラウザも役には立ちません。そこで、ローエンドのスマートフォンから高パフォーマンスのワークステーションまで、あらゆるプラットフォームで Chrome の効率を上げる作業も続けています。
Chrome Trust & Safety、シニア プロダクト マネージャー、Sabine Borsay、Patrick Nepper
Chrome は、最初から安全性とプライバシーを考慮して設計されています。Chrome には有力なパスワード マネージャーが搭載され、さまざまなデバイスで安全かつシームレスなログインが実現できるようになっています。また、パスワードが侵害されれば警告してくれ、ワンタップで脆弱なパスワードの修正ができるようになっています。私たちが実現しようとしているのは、デフォルトで保護されているだけでなく、見つけやすく、わかりやすく、使いやすいプライバシー管理です。2 年前には、Chrome のセキュリティとプライバシーの設定を完全に再設計しました。皆さんが自分にとって最適な選択をすることができるように、重要なプライバシー管理についての新しい使い方ガイドを作成しています。
UX ディレクター、Alex Ainslie
この 10 年間を振り返って誇りに感じるのは、Chrome チームがシンプルで充実したブラウザを作るために行ってきた人間を中心に置いた作業です。それが、タブグループやパスワード自動入力といった機能に現れています。その過程で、実用的なセキュリティに関する論文を発表したり、恐竜のミニゲームを作ったり、Chrome のビジュアル デザインを更新したりしてきました。Chrome のデザイナー、研究者、ライターは、オペレーティング システムの慣習、入力方法、ハードウェア機能を考慮し、それぞれのデバイスに特化したブラウザを作ることに重点を置いています。私たちは、#littlebigdetails を正しく実現したいと願っており、皆さんが使いやすい Chrome にするためのバグレポートやフィードバックを歓迎します。
グループ プロダクト マネージャー、RK Popkin
振り返ってみて一番誇りに思うのは、私たちがウェブを使える人を増やすために行ってきた作業です。現在、Chrome はスクリーンリーダーのユーザーの間で最も人気のあるブラウザで、最新の AI 技術を使って視覚障がいのあるユーザーや弱視のユーザーにウェブ上にある写真を説明しています。聴覚障がいのあるユーザーや難聴のユーザーには、動画や音声のコンテンツの自動字幕起こし機能を追加しました。DevTools のユーザー補助ツリーは、障がいのあるユーザーのためにページを改善する際に役立ちます。また、Chrome では、ニューラル機械翻訳を使ってウェブを 108 の言語に翻訳しています。この 1 か月で翻訳したウェブページは、250 億ページを超えています!さらに、黒人やラテン系のアーティストとコラボレーションして彼らのビジョンを Chrome の新しいタブの画面に反映させ、Chrome で自分らしさを表現する新たな方法を提供しています。今後、さらに多くのコラボレーションを公開できることを楽しみにしています。
シニア スタッフ デベロッパー アドボケート & Chrome デベロッパー リレーションズ リード、Paul Kinlan
Google に入社する前は、ウェブ デベロッパーでした。Chrome は初めてのオープンソース ブラウザ プロジェクト(プロジェクト自体は Chromium と呼ばれています)で、ウェブ標準に基づいて作られており、誰でも貢献したり改善したりできるので、魅力的でした。現在の Chromium は、Microsoft Edge や Amazon Silk など、特に人気が高い多くのブラウザを支えているだけでなく、Android アプリ、テレビ、VR ヘッドセットなどにウェブを組み込むための基盤にもなっています。リリース サイクルを短くするというコミットメントに基づき、Chrome の新バージョンを頻繁に提供することで、機能強化や問題の修正を短時間で行えるようになっています。Interop 2022 などのプロジェクトも、ウェブ デベロッパーがどんな場所でも動作するエクスペリエンスを構築するために役立つはずです。
Chrome ブラウザ エンタープライズ、シニア プロダクト マネージャー、Philippe Rivard
パンデミックの期間中は、あらゆる職場や学校がリモートに移行し、たくさんの人々にとって Chrome はなくてはならないものになりました。一般の人々は意識していないかもしれませんが、この体験をシームレスで安全なものにするために、世界中の IT チームが、Chrome ブラウザ クラウド管理などのツールを使って作業しています。このツールを使うと、IT チームは、オペレーティング システムに関わらず、クラウドから直接 Chrome を管理できます。私が誇りに感じるのは、あらゆる規模の組織がウェブを最大限に活用できるようにするために、このチームが行ってきた作業です。今、たくさんの組織が、近い将来のハイブリッド モデルに向けた移行の只中にあります。IT チームがさらに複雑になる状況に対応できるよう、Chrome もサポートを続けます。
Chrome 検索機能、プロダクト マネージャー、Yana Yushkina
私たちの多くが、貴重な情報を失いたくないので、たくさんのタブを開いたままにしています。Chrome Journeys がすばらしいと思う一番の理由はそこにあります。この機能を使うと、これまでにアクセスしたサイトをトピックに基づいて取得できるので、時間をかけて行った調査を確認し直すことができます。また、Chrome Actions を使えば、直接新しいドキュメントを開く、ページを翻訳する、サイトを共有するなど、タブをまったく触らずに操作することもできます。
コンテンツ ディスカバリー、プロダクト マネージャー、Janice Wong
ウェブの中心はコンテンツです。これは、コンテンツを消費する人にとっても、作成する人にとっても同じです。昨年、Chrome からお気に入りのウェブ パブリッシャーの最新情報を直接フォローして簡単に取得できるようにしました。Android と iOS の Chrome では、関連性が高く、興味のありそうな新しいウェブサイトのコンテンツを見つけることもできます。さらに多くの人が、新しいタブの画面から興味のある内容を確認し、新しいコンテンツを見つけることができるようにしたいと思っています。
Chrome を信頼し、フィードバックを通して継続的な改善に貢献してくださっていること、どうもありがとうございます。次の 100 回目の節目にも幸ありますように!