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Android 11: デベロッパー プレビュー 2
2020年4月8日水曜日
この記事は エンジニアリング部門副社長、Dave Burke による Android Developers Blog の記事 "
Android 11: Developer Preview 2
" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
ここ数か月、世界の多くの人々にとって困難な状況が続いています。Google の Android チームはグローバルなチームであり、私たちも皆さんと同様、この未曾有の事態にどう対応すればよいかを学んでいるところです。このような状況の中でも、Android 11 に貴重なフィードバックをくださるデベロッパー コミュニティの皆さんに感謝します。皆さんや皆さんの家族、同僚の健康をお祈りします。
この状況下、皆さんもまずはできることから進めていこうとされていると思います。、私たちが開発を進める Android 11 も順調に次のマイルストーン リリースの段階にきました。依然として初期ビルドである点は変わりませんが、シームレスな 5G 接続、最新画面に対応した UI、さらにスマートになったキーボード、メッセージング エクスペリエンスの高速化など、今回のリリースによって実現される OS の新しいエクスペリエンスをご確認いただけます。
デベロッパー プレビュー 2 には、注目すべき機能がたくさん含まれています。ここでは、そのいくつかを紹介しましょう。詳しくは、
Android 11 デベロッパー サイト
をご覧ください。こののリリースは、
デベロッパーのみを対象としています。
日常的な使用やユーザーの使用を想定したものではありません。そのため、Pixel 2、3、3a、4 端末への
手動でのダウンロードと書き込み
でのみご利用いただけます。少しだけ書き込みが簡単になるように、
Android Flash Tool
からも本日のリリースを取得できるようにしました。既にデベロッパー プレビュー 1 または 1.1 を実行している方は、OTA(無線)アップデートで本日のリリースを受け取ることもできます。
ぜひ、皆さんの感想をお聞かせください
。これまでにもすばらしいフィードバックを提供してくださった皆さん、どうもありがとうございます。
新しいエクスペリエンス
5G state API
- DP2 には、
5G state API
が追加されています。これを使うと、ユーザーが現在新しい 5G 無線通信に接続しているか、スタンドアロンでないネットワークに接続しているかをすばやく確認できます。この機能を使えば、ユーザーが 5G に接続しているときに、アプリの 5G エクスペリエンスや 5G ブランディングを強調することができます。この API は、5G
dynamic meteredness API
や
bandwidth estimator API
、さらに
既存の接続 API
と組み合わせて使えば、5G によるスピードやレイテンシの改善を最大限に活用することができます。
折りたたみ式端末のヒンジ角度
- 折りたたみ式端末に関して寄せられていた最大のリクエストは、端末の画面間の角度を取得する API でした。今回の Android 11 は、
ヒンジ角度センサー
をサポートします。これにより、アプリから直接、または新しい AndroidX API を通して厳密なヒンジ角度を問い合わせ、折りたたみ式端末ならではのエクスペリエンスを作成できるようになります。
通話スクリーニング サービスの改善
- ユーザーのスパムコール対策に役立ててもらうため、通話スクリーニング アプリの機能を強化する新しい API を追加しています。通話スクリーニング アプリは、通話詳細の一部として着信通話の
STIR/SHAKEN ステータス
(発信者番号のなりすましに対抗するための標準)を検証できるようになり、さらに通話拒否の理由の報告も可能になります。さらに、システムが提供する
通話終了画面
をカスタマイズし、通話を迷惑通話としてマークする、連絡先に追加するなどの操作が可能になります。この点については、近日中に改めてお伝えします。
Neural Networks API の新しい操作と制御
- 活性化関数は、ニューラル ネットワーク内のノードの出力を制御します。Google AI チームは、
swish 活性化関数
を利用すると、とても多くのタスクでトレーニング時間の短縮と精度の向上を達成できることを発見しました。Android 11では、この関数の計算効率の高いバージョンである
ハードスイッシュ活性化関数を追加
しています。これは、多くの転移学習ユースケースでベースモデルを形成している
MobileNetV3
のような次世代のオンデバイスビジョンモデルを高速化するための鍵となります。追加されたもう 1 つの重要な機能が、
Control ops
です。これにより、分岐やループをサポートするさらに高度な機械学習モデルを実現できます。最後に、一般的なユースケースのレイテンシを最小化するための新しい実行コントロールも追加されました。
Asynchronous Command Queue API
は、小さな連鎖モデルを実行する際のオーバーヘッドを削減します。これらの新しい API の使用例は、
NDK サンプルコード
をご覧ください。
プライバシーとセキュリティ
ユーザーを保護し、透明性と制御を向上させるために、いくつかの機能を追加しました。早速皆さんのアプリで試してみて、感想をお聞かせください。
カメラおよびマイクのフォアグラウンド サービス タイプ
- Android 10 では、具体的なユースケースの説明に役立つように、マニフェスト属性
foregroundServiceType
を導入しました。当初、アプリは “location” などのいくつかの項目から選択することができました。Android 11 では、2 つの新しいタイプ “camera” と “microphone” を追加します。アプリのフォアグラウンド サービスからカメラやマイクのデータにアクセスしたい場合は、マニフェストに foregroundServiceType の値を追加する必要があります。
ストレージのスコープ化のアップデート
- 私たちは引き続き、外部ストレージにあるアプリやユーザー データの保護の強化に取り組んでいます。今回のリリースでは、以前のモデルから、スコープ化された新しいストレージ モデルにファイルを移行する操作のサポート、キャッシュされたファイルの管理性の向上など、さらなる改善と変更を行っています。
詳細はこちらをご覧ください
。また、今後のアップデートでの機能強化にもご期待ください。
以上で説明した内容の詳細、およびその他の Android 11 のプライバシー機能については、
こちら
をご覧ください。
洗練度と品質の向上
同期された IME の切り替え - 一連の新しい API を使うと、アプリのコンテンツと、アニメーションを使って画面に出入りする IME(インプット メソッド エディタ、別名ソフト キーボード)やシステムバーを同期させることができます。これにより、自然で直感的でスムーズな IME の切り替えを簡単に実現できるようになります。フレーム単位の完璧な切り替えを実現するには、
新しいインセット アニメーション リスナー
を使います。これを使うと、システムバーや IME がアニメーションで動いている間、アプリはインセットに対するフレーム単位の変化について通知を受けることができます。さらに、
WindowInsetsAnimationController
API を通して、IME やシステムバーの切り替えを制御することもできます。たとえば、アプリの UI のオーバースクロールに反応して IME を制御するようなアプリ主導の IME エクスペリエンスを提供できます。この新しい IME の切り替えを試してみて、皆さんにとって他にどのような切り替えが重要かをお知らせください。
インセット アニメーション リスナーによる同期された IME の切り替え
WindowInsetsAnimationController を使ってアプリが提供する IME エクスペリエンス
可変リフレッシュ レート
- アプリやゲームで、ウィンドウに好みのフレームレートを設定できるようになります。ほとんどの Android 端末は、60Hz のリフレッシュ レートで画面を更新します。しかし、60Hz に加えて 90Hz をサポートしているなど、複数のリフレッシュ レートに対応し、実行時に切り替えることができる端末もあります。このような端末では、システムがアプリに最適なリフレッシュ レートを選択する際に、アプリが設定したフレームレートを使用します。この API は、SDK と NDK の両方で利用できます。詳細については、
こちら
をご覧ください。
リジューム オン リブート
- Android 11 では、夜間にスケジュールされた OTA ソフトウェア アップデートに関連する操作が改善されます。以前のバージョンの Android と同じように、端末に OTA アップデートを適用するには依然として再起動が必要です。しかし、リジューム オン リブート機能があれば、アプリはユーザーが端末のロックを解除しなくても、OTA による再起動後に認証情報暗号化(CE)ストレージにアクセスできます。つまり、アプリは即座に通常の機能を再開し、メッセージを受信できるようになるのです。OTA アップデートは、端末が放置がちな夜間にスケジュールされることが多いので、この改善は効果的です。アプリは、引き続きダイレクト ブートをサポートすることで、あらゆる種類の再起動の直後に端末暗号化(DE)ストレージにアクセスできます。次のデベロッパー プレビュー OTA アップデートで [Restart after 2AM] をタップすると、リジューム オン リブートを試すことができます。詳細については、
こちら
をご覧ください。
エミュレータがカメラをサポート
- Android エミュレータが正面と背面のカメラデバイスをサポートします。
背面カメラ
は Camera2 API
HW レベル 3
(YUV 再処理、RAW キャプチャを含む)をサポートします。完全な CTS 対応
LEVEL_3
デバイスなので、ZSL や RAW/DNG サポートなどの高度な機能をテストすることもできます。正面カメラは、
論理カメラサポート
(2 つのベース物理デバイスによる 1 つの論理デバイス)を含む
FULL
レベルをサポートします。このカメラは論理カメラサポートを特徴としており、物理カメラデバイスには狭視野および広視野のカメラが含まれています。今回のカメラのエミュレートのサポートにより、Android 11 に追加されるすべてのカメラ機能の開発やテストが可能になります。詳細は追ってお伝えします。
アプリの互換性
新しいバージョンのプラットフォームをロールアウトするにあたって、アプリの互換性を優先し、迅速かつスムーズにアップデートできるように努めています。Android 11 では、プラットフォームのアップデートによる影響を最低限にとどめ、デベロッパーの皆さんが簡単にアップデートできるように、新しいプロセス、ツール、リリース マイルストーンを追加しました。
デベロッパー プレビュー 2 になると、公開に向けた作業が本格化し、ベータ版にも近づいてきています。そのため、互換性のテストを開始して今後必要な作業を特定するには、今が絶好のタイミングです。Android 11 ベータ版 1 までに互換性のあるアップデートをリリースできるように、早めにこの作業を行うことをお勧めします。そうすることで、多くの Android 11 ベータ版ユーザーからフィードバックを得ることができるようにもなります。
Platform Stability に到達すると、システムの動作、非 SDK グレーリスト、API が確定します。現時点で、最終的な互換性テストと、完全に互換性のあるアプリ、SDK、ライブラリのリリースをできる限り早く行う計画を立てて、最終版の Android 11 のリリースに備えてください。デベロッパー向けのタイムラインの詳細は、
こちら
をご覧ください。
互換性テストは、Pixel 2、3、3a、4 端末または Android Emulator を使ってできます。最新ビルドを書き込み、現在の本番アプリをインストールして、すべてのユーザーフローをテストしてください。この段階では、アプリの targetSdkVersion を変更する必要はありません。アプリに影響する可能性がある
動作の変更点
を忘れずに確認し、その影響をテストします。
テストを支援するため、互換性のない変更の多くは切り替え可能にしています。そのため、それぞれの機能は、開発者向けオプションや adb から強制的に有効化または無効化できます。
詳細はこちらをご覧ください
。合わせて、有効化、無効化が可能な
制限されている非 SDK インターフェース
のグレーリストもご覧ください。
開発者向けオプションでのアプリの互換性の切り替え
Android 11 の利用を開始する
デベロッパー プレビューには、Android 11 の機能を試し、アプリをテストして
フィードバック
を提供するために必要なすべてのものが含まれています。端末システム イメージ
をダウンロードして
Pixel 2 / 2 XL、Pixel 3 / 3 XL、Pixel 3a / 3a XL、Pixel 4 / 4 XL
のいずれかの端末にインストールするか、または Android Studio から Android Emulator をセットアップしましょう。次に、Android Studio 環境をアップデートして Android 11 Preview SDK およびツールを導入します。詳細は、
セットアップ ガイド
をご覧ください。
いつものように、皆さんのフィードバックは重要です。引き続き、
お気づきの点はぜひお知らせください
。早めにお知らせいただければより多くのフィードバックを反映できます。問題を見つけた場合は、
こちらから報告
をお願いします。
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