当初の主なターゲットは、読者が移動中にニュースやストーリー、解説記事を読む際に、高速で優れたウェブ エクスペリエンスを提供したいパブリッシャー(報道関係など)でした。しかしその後は、e コマースストア、求人、メディアなど、モバイル パフォーマンスを重視するあらゆるサイトに重宝されるようになりました。
AMP HTML フレームワークと同様、AMP もエンドユーザーの近くで AMP コンテンツのコピーを保持するキャッシュを利用していました。これは、コンテンツをできる限り早く読み込めるようにするためです。このキャッシュによってウェブページの読み込みは超高速になりますが、問題も発生します。Google のキャッシュから提供される AMP ページの URL は https://google.com/amp/ から始まるという問題です。これは、エンドユーザーの混乱のもとです。
ユーザーは、ウェブブラウザのナビゲーション バーでアクセスしているサイトを確認できるものだと考えています。AMP キャッシュでは、この考え方が成り立たなくなります。Google のキャッシュからページを提供すると、アドレスバーに表示される「google.com」という URL を見て、ユーザーは混乱してしまうかもしれません。
昨年 11 月、私たち Cloudflare は、この問題に対する技術的なソリューションを発表しました。これは、オリジナルのページの URL を維持したまま、AMP ページをキャッシュから提供できるようにするものです。URL が変わらないことによるメリットも、すべて受け継がれます。詳細については、Gabbi Fisher と Avery Harnish が詳しい
技術解説を行っているブログ投稿をご覧ください。このソリューションは、
Web Packaging(暗号技術をうまく利用しています)を使って、キャッシュ(Google や Cloudflare などが運用しています)が AMP ページのコピーを保持してエンドユーザーに高速に提供できるようにしています。キャッシュには、元のページがどこから来たのかを暗号学的に証明する証拠も含まれています。
Web Packaging を解釈できるブラウザと連携すれば、ページを AMP キャッシュに格納してそこから高速に提供しつつ、ブラウザのナビゲーション バーにオリジナルのサイトの URL を表示できます。まさに完全勝利です!
私たちが「AMP Real URL」と呼んでいるこの機能は、すべての Cloudflare のお客様が無料で使うことができます。
仕組み
Google の AMP クローラは、1 日に何度も皆さんのウェブサイトのコンテンツをダウンロードし、AMP キャッシュに格納します。サイトで AMP Real URL が有効になっていると、Cloudflare はクローラに提供するコンテンツにデジタル署名を行います。これにより、皆さんが生成したコンテンツであることが暗号学的に証明されます。モダンブラウザ(今のところ Android の Chrome のみ)で Google の検索結果から AMP コンテンツを開くと、この署名があるだけでアドレスバーに正しい URL が表示されます。
さらに重要なのは、これまでと同様に、サイトが Google の AMP キャッシュから提供されていることです。SEO やウェブのパフォーマンスには一切影響を与えません。
Reviewed by
Eiji Kitamura - Developer Relations Team