Google は、AI をあらゆる人にとって役立つものにすることを目指し、開発者コミュニティが独自の言語や文化に合わせて AI を活用し実装できることを目指しています。その一環として、今年の I/O では、インドの開発者が Gemma をファイン チューニングして、12 のインド言語でテキストを理解し生成することに成功した Navarasa (英語) プロジェクトを紹介しました。
これは、Gemma が言語や文化の違いを乗り越えて、さまざまな状況に対応できる可能性を示しています。このプロジェクトを含めて、Gemma の言語機能をさらに強化し、世界中の開発者のみなさんに提供できるよう取り組んでいます。
Gemma for Japan
本日、東京で開催された Gemma Developer Day で、日本語版 Gemma 2 2B を公開しました。Gemma 2 と比較して、優れた文章力と、指示内容を的確に理解し反映する能力など、全体的な品質が向上しています。本モデルと併せて、トレーニングガイドも公開し、世界中の開発者が Gemma を他言語に適応させるための実践的な例として支援をしてまいります。
日本語版 Gemma 2 2Bは、自社評価において、 GPT-3.5 を上回るパフォーマンスを発揮し、モバイル端末での高速でスムーズな処理能力や日英両言語における高い品質を維持しています。この優れた結果は、モデルのサイズを考慮すると、Gemma モデルが英語以外の言語でも高い性能を発揮できることを示すものと考えています。
AI リサーチへの支援
オープンモデルの世界は、私たちだけの力で成り立っているわけではありません。継続的な進歩と革新を推進するのは、コミュニティの力です。そのため Google は、 TPU Research Cloud プログラムや Google Cloud クレジットなどのプログラムを通じて、研究者の皆さんにコンピューティング リソースを提供できることを嬉しく思います。
また東京科学大学 情報理工学院 情報工学系の岡崎直観教授らの研究チームと協力し、日本におけるオープンモデルの開発支援、および、新しい技術の開拓への取り組みも進めます。
“Google の Gemma シリーズはコンパクトな大規模言語モデルであるにも関わらず、日本語と英語の能力をバランスよく備えています。多言語に強い Gemma の能力を活かしながら、日本の文化や知識に関する能力を引き上げる方法について、Google と一緒に取り組めることを楽しみにしています。”
岡崎直観 教授 - 東京科学大学
開発者コミュニティに参加できることを光栄に思い、研究機関の皆様とこの先も取り組みを続けていくことを楽しみにしています。
Kaggle でグローバル コミュニケーションを解き放つ
私たちの目標は、言語に関係なく、すべての人が Gemma にアクセスし、AI による革新的なサービスを享受できるようにすることです。その目標を達成するひとつの取り組みとして、 Kaggle コンペティションを開催しています。ぜひ日本の開発者の皆様にもご参加いただき、多言語向けの Gemma モデルの構築にご参加ください。
開発者のみなさまの力が、言語間の障壁を取り払い、世界中の人々をつなぎます。 私たちは、開発者 コミュニティとの密な連携を継続し、ともに、日本の AI の未来を形作っていきたいと考えています。
Posted by Tris Warkentin - Director, Google DeepMind and Tamao Imura - Google Developer Marketing Manager, Japan