Google は、より安全かつ簡単な認証をデベロッパーに提供する取り組みを通じて、ユーザーがお気に入りのアプリやウェブサイトに簡単にアクセスできるようにしています。
Google Identity Services(GIS)は進化を続けており、パートナーのエコシステムに計り知れない価値をもたらす認証ソリューションの開発も続いています。認証済み電話番号を認証フローに直接埋め込むなど、要望の多かった機能にも対応しています。
デベロッパー向けに重点を置いているのは、常にスムーズな操作を提供して、ユーザーがパートナーのプラットフォームを簡単に使い始めたり再訪したりできるようにすることです。同時に、デベロッパーがユーザーと確かな信頼関係を築けるようにすることにも留意しています。
新機能
以下のライブラリで利用できるいくつかの新機能についてお知らせします。
Android
- 認証済み電話番号(Android)
- 電話番号ヒント(Android)
ウェブ
- Intelligent Tracking Prevention(ITP)ブラウザでの One Tap
iOS と macOS
Android
認証済み電話番号
ID プロバイダである私たちは、操作にユーザーの明確な同意を織り込みつつ、ユーザーの Google アカウントを活用して、デベロッパーに追加のユーザーデータをシームレスに提供できるようにする作業を進めています。電話番号がアカウント管理の重要な要素であることは承知しています。この点は、モバイルファーストのマーケットにあるユーザーにとっても、ID 認証や 2 要素認証の必要性が高まっているデベロッパーにとっても言えることです。
Android デバイスでは、デベロッパー側から、Google アカウントに紐付けられた認証済み電話番号を共有することを登録フローの一環としてユーザーにリクエストできるようになります。デベロッパーからは、SMS 認証でユーザーを保護するには大きなコストが必要だという声が寄せられています。今回、デベロッパーは簡単に
ユーザーに電話番号をリクエストできるようになります。この電話番号は Google が検証を済ませているものです。これにより、オンボーディング プロセス全体で SMS のコストを削減できます。
認証済み電話番号は、現在 Android 版 GIS で利用できます。今後、他のプラットフォームにも展開する予定です。
電話番号ヒント
デベロッパーがユーザーの電話番号をリクエストするもう 1 つの方法は、Android デバイスで新しい
Phone Number Hint API を使うことです。デベロッパーが Phone Number Hint API を呼び出すと、ユーザーはデバイスの SIM カードの電話番号を共有できます。これは、登録やログインのフローとは関係なく利用できます。この API には追加のパーミッションは不要なので、ネイティブ Android API を呼び出す方法よりもお勧めです。デベロッパーは時間と作業量を減らすことができます。Phone Number Hint API は、ユーザーが Google アカウントにログインしていなくても利用できます。Google アカウントに情報が保存されることもありません。
ウェブ
ITP ブラウザの One Tap
ITP(
Intelligent Tracking Prevention)ブラウザでは、サードパーティ Cookie の利用が制限されるので、ウェブでユーザーがトラッキングされることはありません。今回、iOS 版の Safari、Firefox、Chrome などの ITP ブラウザで、
GIS One Tap が利用できるようになります。これにより、ユーザーとデベロッパーの両方のために、複数のプラットフォームで一貫したワンタップ操作を実現します。デベロッパーは、次のようなさまざまな理由で One Tap の利用を好んでいます。
- ユーザーのコンバージョンの増加
- 業界をリードするセキュリティ
- パスワード管理に伴うリスクの削減
- 専用のログインページや登録ページにリダイレクトせずにログインや登録を実現
- パーソナライズしたプロンプトによる重複アカウントの削減と再訪ユーザーの自動ログイン
ITP ブラウザでの One Tap の UX は、次のようなウェルカム ページから始まります。
ユーザーが続行することを選ぶと、ポップアップ ウィンドウが開きます。ポップアップ ウィンドウの UX は、標準の One Tap ユーザー エクスペリエンスと同じです。
この新機能は、One Tap を有効にしているすべてのデベロッパーを対象に、2022 年 10 月 12 日にデフォルトとしてロールアウトされる予定です。さっそく ITP ブラウザで One Tap のサポートを始めたい方や、デフォルトのサポートをオプトアウトしたい方は、
ドキュメントをご覧ください。
iOS と macOS
macOS プラットフォーム拡張
この数年間で Apple のエコシステムは拡大し、多くの異なるプラットフォーム(iOS、iPadOS、macOS、tvOS、watchOS)が含まれるようになりました。そこで、Apple エコシステムのサポート拡大に向けて、
iOS と macOS 向け Google ログインの一環として、
macOS サポートをリリースします。これにより、ネイティブ macOS アプリで中核的な GIS 操作(認証、認可、トークンの保存)がサポートされるようになります。
サポートの終了
サポートの終了予定
GIS ライブラリで利用できる新機能に加えて、今後のサポートの終了予定についてもお知らせします。
- Android での Smart Lock for Passwords のサポート終了
- ウェブサイト向け Google ログインのサポート終了
Smart Lock for Passwords のサポート終了
Smart Lock for Passwords Android SDK のサポートが終了します。この機能は、パスワードの保存と取得、ID トークンのリクエスト、ログインヒントの取得をします。GIS ライブラリでは、Smart Lock for Passwords のすべての機能を利用できます。すべてのデベロッパーの皆さんには、新しい機能用に GIS ライブラリを使うことをお勧めします。既存の統合機能の Smart Lock for Passwords トラフィックは、デフォルトで GIS ライブラリにリダイレクトされます。デベロッパーによる変更作業は必要ありません。
ウェブサイト向け Google ログインのサポート終了
再度のお知らせになりますが、ウェブ アプリケーション向けの
Google ログイン JavaScript プラットフォーム ライブラリは 2023 年 3 月 31 日に完全に提供が終了します。このサポート終了が皆さんのウェブ アプリケーションに影響しないことを確認してください。必要な場合には、
移行の計画を立ててください。
以上の新機能が、デベロッパーとユーザーの両方に大きな価値を提供し続けることを期待しています。今後もデベロッパーの皆さんの ID 関連のニーズにお応えできることを楽しみにしています。詳しい使い方は、
デベロッパー サイトをご覧ください。