特に記載のない限り、下記の変更は Android、Chrome OS、Linux、macOS、Windows 向けの最新の Chrome ベータ版チャンネル リリースに適用されます。ここに記載されている機能の詳細については、リンクまたは ChromeStatus.com の一覧でご確認ください。2022 年 3 月 31 日時点で、Chrome 101 はベータ版です。PC 向けの最新版は Google.com で、Android では Google Play ストアでダウンロードできます。
Chrome では、HTTP リクエストでユーザー エージェント文字列によって公開される情報量の削減を試行しています。navigator.userAgent、navigator.appVersion、navigator.platform についても、同様の削減をします。これは、ユーザー エージェント文字列がパッシブなユーザー フィンガープリンティングに使われることを防ぐための措置です。このオリジン トライアルに参加したい方は、Chrome オリジン トライアルのエントリをご覧ください。その他の機能のサポート終了や削除については、本記事の末尾をご覧ください。
navigator.userAgent
navigator.appVersion
navigator.platform
このバージョンの Chrome には、以下のオリジン トライアルが導入されています。オリジン トライアルとして新機能を試して、ユーザビリティ、実用性、有効性についてのフィードバックをウェブ標準コミュニティに提供することができます。以下の項目を含め、現在 Chrome でサポートされているオリジン トライアルに登録するには、Chrome オリジン トライアル ダッシュボードをご覧ください。Chrome のオリジン トライアルの詳細については、ウェブ デベロッパーのためのオリジン トライアル ガイドをご覧ください。Microsoft Edge は、Chrome とは別に独自のオリジン トライアルを行っています。詳細については、Microsoft Edge オリジン トライアル デベロッパー コンソールをご覧ください。
Federated Credential Management API(FedCM)は、プライバシーを保護できる ID フェデレーションを行うためのもので、サードパーティ Cookie のようなクロスサイト トラッキングを使わずに ID フェデレーションのユースケースを継続できるように設計されています。Chrome 101 でこの機能のオリジン トライアルが始まるのは、Android のみです。PC 向けのサポートは、Chrome 後ほど追加する予定です。
Chrome で以前にオリジン トライアルが行われていた以下の機能は、現在デフォルトで有効化されています。
Priority Hints は、リソースの相対的な重要度をブラウザに示し、リソースが読み込まれる順序をより細かくコントロールする方法を提供します。
AudioContext.outputLatency プロパティは、ユーザー エージェントがホスト システムにバッファの再生をリクエストしてから、オーディオ出力デバイスがバッファ内の最初のサンプルを処理するまでの時間を秒数で見積もったものです。スピーカーやヘッドフォンなど、音響シグナルを生成するデバイスの場合、オーディオ出力デバイスが処理する時間とは、サンプルのサウンドが生成された時間です。このプロパティは、デベロッパーが入力と出力の間のレイテンシを補償したい場合に役立ちます。また、動画とオーディオのストリームを同期する際にも便利です。
AudioContext.outputLatency
Firefox では、すでにこのプロパティが実装されています。
font-palette CSS プロパティを使うと、カラーフォントからパレットを選択できます。@font-palette-values at-rule と組み合わせると、カスタム パレットを定義することもできます。この機能は、ダークモードやライトモードでアイコンや絵文字フォントを使うデザインや、コンテンツのカラーパターンと調和させるためにマルチカラー アイコン フォントで font-palette を使う場合に便利です。
font-palette
@font-palette-values
at-rule
HWB(色相、白さ、黒さを表す英語の頭文字)は HSL と同じく、sRGB カラーを指定する方式ですが、人間にとって扱いやすいのは HWB の方です。hwb() 関数を使うと、CSS で HWB 値を指定できます。この関数は、3 つの引数を受け取ります。1 つ目は hue で、色相を角度で指定します(範囲 [0, 360] 以外の数値も利用できます)。残りの 2 つの whiteness と blackness は、パーセントで指定します。
hwb()
hue
whiteness
blackness
この機能は、window.open() の popup 引数の解析に関する最近の仕様変更に従ったものです。これまでは、popup を 'true' に設定すると、window.open() は false を表すものとして解釈していました。これは直感的でなく、混乱を生みます。この変更により、boolean 機能が使いやすく、わかりやすくなります。
window.open()
popup
MediaCapabilities API が拡張され、WebRTC ストリームをサポートします。MediaCapabilities API では、ある設定がサポートされているかどうかや、動画がスムーズに再生できそうかといった情報が提供されます。そのため、ウェブサイトは、動画再生に使うコーデックや解像度などを情報に基づいて決定できます。 この機能がない場合、ウェブアプリは適切な設定を推測するしかないため、解像度やフレームレートが不必要に低くなったり、フレームレートが高すぎるとスタッタリングが発生したりするなど、品質の低下につながる可能性があります。
Secure Payment Confirmation API バージョン 3 に含まれる以下の機能が実装されます。
payeeName
ウェブ デベロッパーは、USBDevice forget() メソッドを使うことで、ユーザーが許可した USBDevice へのパーミッションを自発的に取り消すことができます。
USBDevice
forget()
USBConfiguration、USBInterface、USBAlternateInterface、USBEndpoint インスタンスが厳密なイコール("===")になるのは、同じ USBDevice のアクセッサから取得した場合のみになります。
USBConfiguration
USBInterface
USBAlternateInterface
USBEndpoint
このバージョンの Chrome では、以下のサポートの終了と機能の削除が行われます。現在サポートが終了している機能と以前に削除された機能のリストは、ChromeStatus.com をご覧ください。
サードパーティ コンテキストでの WebSQL が削除されます。Web SQL Database 標準が最初に提案されたのは 2009 年 4 月で、2010 年 11 月に検討が中止されました。Gecko はこの機能を実装しておらず、WebKit では 2019 年に非推奨となりました。W3C は、代替手段として Web Storage や Indexed Database を推奨しています。
デベロッパーは、WebSQL 自体が非推奨であり、利用率が十分低くなった際に削除される予定であることを想定する必要があります。