今年 5 月に、
User-Agent 文字列削減計画についての最新情報
をお知らせし、適宜詳細をお伝えすることを約束しました。この度、削減版の User-Agent ヘッダー(とそれに関連する JS インターフェース)を
オリジン トライアル(オリジンを指定して実験的機能を先行利用できるオプトイン機能)でテスト
できるようになったので、現時点で想定しているスケジュールについてお知らせします。以下は元のブログ投稿の繰り返しになりますが、各フェーズが始まる Chrome の想定バージョンを記載しているので、準備のためにご活用ください。
Chromium スケジュール ダッシュボード
は、それぞれの Chrome バージョンに関連する日付や、Canary 版からベータ版、安定版リリースに至る進捗を理解するうえで役に立ちます。
注 : エンジニアリングの想定期限に関する一般的な注意事項は、ここでも当てはまります。つまり、不測の事態により、遅延が発生する可能性があります。ただし、遅延が発生した場合でも、フェーズ間のスケジュールを縮めることはいたしません。
ロールアウト計画案
以下の変更は、7 つのフェーズに分け、オリジン トライアルのフィードバックを待ちながら、時間をかけて徐々にロールアウトする予定です。
削減の準備
フェーズ 1:
Chrome 92 から(2021 年 7 月 20 日)
推奨される対応(CTA):
サイトの使用方法を監査し、移行が必要になる可能性がある箇所を把握してください。
M92 より、navigator.userAgent
、navigator.appVersion
、navigator.platform
へのアクセスに関する警告を DevTools に表示します。
フェーズ 2:
Chrome 95 から Chrome 100
CTA: Chrome 101 がリリースされるまでの間、サイトをオリジン トライアルに登録し、フィードバックを提供してください。
みなさんからテストとフィードバックにご協力いただけるよう、サイトを削減版の UA 文字列の最終形にオプトインできるオリジン トライアルを開始します。これは少なくとも 6 か月間継続します。
オリジン トライアル パートナーやコミュニティからのフィードバックを評価し、そのフィードバックに基づき、計画のフェーズ 3 から 7 を進めます。その間に、エコシステムが適応するための十分な時間をとります。もしくは、フィードバックに応じて、最善策について再検討します。
削減のロールアウト
フェーズ 3:
Chrome 100
CTA: 必要に応じて、デプリケーション トライアル(オリジンを指定してサポートの終了を延期できるオプトイン機能)またはエンタープライズ ポリシーにサイトを登録してください。
サイトを移行する時間がさらに必要な場合などのために、デプリケーション トライアルとエンタープライズ ポリシーを開始します。
フェーズ 4:
Chrome 101
CTA: サイトで削減版の Chrome バージョン番号との互換性を確保してください。確保できない場合は、
UA Client Hints に移行します。
Chrome の MINOR.BUILD.PATCH バージョン番号を削減します ("0.0.0")。これがロールアウトされると、デスクトップとモバイルのオペレーティング システムで、デプリケーション トライアルをオプトインしていないすべてのページの読み込みに、削減版の UA 文字列が適用されます。
フェーズ 5: Chrome 107
CTA: サイトで削減版のデスクトップ UA 文字列と関連する JS API との互換性を確保してください。確保できない場合は、UA Client Hints に移行します。
削減版のデスクトップ UA 文字列と関連する JS API(navigator.userAgent
、navigator.appVersion
、navigator.platform
)のロールアウトを開始します。これがロールアウトされると、デスクトップのオペレーティング システムで、デプリケーション トライアルをオプトインしていないすべてのページの読み込みに、削減版の UA 文字列が適用されます。
フェーズ 6:
Chrome 110
CTA: サイトで削減版のモバイル UA 文字列と関連する JS API との互換性を確保してください。確保できない場合は、
UA Client Hints に移行します。
削減版の Android モバイル(とタブレット)の UA 文字列と関連する JS API のロールアウトを開始します。これがロールアウトされると、Android で、デプリケーション トライアルをオプトインしていないすべてのページの読み込みに、削減版の UA 文字列が適用されます。
削減の完了
フェーズ 7:
Chrome 113
デプリケーション トライアルが終了し、すべてのページの読み込みに、削減版の UA 文字列と関連する JS API が適用されます。
詳細や、各フェーズでの User-Agent 文字列の例については、
削減版の User-Agent 文字列に関する最新情報ページをご覧ください。重大な遅延や変更が発生した場合は、このページでもお知らせします。