この記事は The AMP Blog の記事 "Correlation between Core Web Vitals and AMP" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
編集者のメモ : 以下の抜粋記事の出典は、Google のデータ サイエンティスト、Sixing Chen による HTTP Archive Blog への投稿です。より広い AMP コミュニティで共有するため、著者の許可を得た上で以下に転載します。詳細については、出典元のブログ投稿をご覧ください。
HTTP Archive Blog に掲載された最近の分析は、Core Web Vitals(CWV)とさまざまなウェブの特性との相関関係に着目しています。CWV はウェブ体験の質を表し、Google が特に重視する指標です。この調査では多くの技術を分析しており、因果関係を示唆するものではありませんが、AMP に関する結果は早い段階で AMP の大きな可能性を示しています。すなわち、AMP はユーザーにすばらしい体験を提供し続け、デベロッパーにとって費用対効果の高いソリューションとなる可能性をもっています。
この調査の目的は、「さまざまなウェブ開発の選択肢を評価する際の参考として、CWV とウェブの特性との関連性について理解を深めるために役立ててもらうこと」にあります。この調査では、HTTP Archive のデータを使用して、CWV といくつかのウェブ技術(JavaScript フレームワーク、JavaScript ライブラリ、CMS、UI フレームワーク、ウェブ フレームワーク、ウィジェットなど)との相関関係を分析しました。
AMP についての結果を以下に掲載します。斜体になっている部分は、すべて元の調査からの転載です。
ここでは、関連性についての結果を示すとともに、特に CWV への影響が大きいと思われる特徴的な点について記載します。
関連性についての結果を解釈するうえで重要な点があります。それは、特定のウェブ特性への正の影響と負の影響は、他のウェブ特性との比較においてのみ、また、多くのウェブ技術、多種多様なコンテンツ、さまざまなサードパーティ リクエストが混在したウェブサイトという前提でのみ解釈すべきであるという点です。たとえば、あるウェブ技術が強い正の影響を示していた場合、その技術は他の技術と比べてパフォーマンスが優れているようだと解釈すべきです。その技術をウェブサイトに導入すれば、ウェブのパフォーマンスが向上すると解釈することはできません。
LCP は数値の対数としてモデリングするので、高いほど悪いことになります。
%HSM 値が 1 に近い予測値は、数値 / カウントの特性値が高いことを示します。つまり、その技術の存在と高い LCP 値には強い関連性があります。%HSM が 0 に近い予測値では、その逆が成り立ちます(%HSM が高くなるほど悪化する)。
同様に、MSD が比較的大きな正の数である予測値は、数値 / カウントの特性値が高いことを示します。つまり、その技術が存在すると、LCP に強い負の影響を与えます。MSD が大きな負の数である予測値では、その逆が成り立ちます(MSD が大きな正の数になるほど悪化する)。
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ほとんどの JavaScript フレームワークは LCP と強い正の相関を示すので、悪影響が生じることになりますが、AMP は例外です。特に影響が大きいのは、AngularJS、GSAP、MooTools、RequireJS です。
CLS は、与えられたしきい値を満たすかどうかを示すバイナリ インジケーターとしてモデリングします。1 はウェブサイトの CLS が 0.1 未満、0 はそれ以外であることを示します。そのため、1 は 0 より優れています。
%HSM 値が 1 に近い予測値は、数値 / カウントの特性値が高いことを示します。つまり、その技術の存在と CLS がしきい値を満たすことに強い関連性があります。%HSM が 0 に近い予測値では、その逆が成り立ちます(%HSM が低くなるほど悪化する)。
同様に、MSD が比較的大きな正の数である予測値は、数値 / カウントの特性値が高いことを示します。つまり、その技術が存在すると、CLS がしきい値を満たすことに強い正の影響を与えます。MSD が大きな負の数である予測値では、その逆が成り立ちます(MSD が大きな負の数になるほど悪化する)。
いくつかの JavaScript フレームワークは、CLS がしきい値を満たすことと強い負の相関を示すので、悪影響が生じることになります。ただし、AMP、GSAP、React では相関性と影響が低くなっています。AngularJS、Handlebars、Vuejs は特に負の影響が強いものでしょう。
AMP Project の目的は、常にユーザー ファーストな体験を作れるようにデベロッパーをサポートすることにあります。AMP Performance Working Group は、ウェブ上の AMP ページのパフォーマンスを継続的に管理し、定期的に AMP ライブラリのパフォーマンスを強化するアップデートをています。また、AMP は常に最新の状態を維持するライブラリなので、デベロッパーは何の追加作業も必要なく改善点を活用できます。AMP Project には、デベロッパーが簡単に Core Web Vitals のしきい値を満たせるようにするという役割があります。それを果たしている証拠として、上のような相関性についての調査結果を確認できることは私たちの喜びです。
Google 検索では、ランキングにおけるページ エクスペリエンス シグナルの利用がまもなくロールアウトされる予定です。それに向けて、AMP はウェブ パフォーマンスのベスト プラクティスの遵守に役立っており、すべての AMP ページが Core Web Vitals に準拠できるように最大限のチャンスを与えています。私たちは、そこまで到達できたことをうれしく思っています。以上のような理由から、デベロッパーの皆さんには AMP ページ エクスペリエンス ガイドの活用をお勧めしています。このガイドは、アクションにつながるアドバイスを AMP デベロッパーに提供し、AMP ページのページ エクスペリエンスの改善に役立つツールです。
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