試験ではコードの動作だけではなく、モデルの精度評価も行われますので、モデルのチューニングをする必要があります。適切にモデルのチューニングをするためには、機械学習・深層学習に関する基礎知識が必要となります。ただ、必ずしも最新の手法やアーキテクチャを知っている必要はありません。学習率やバッチサイズの意味、損失関数や Optimizer の特性などの基礎知識について、大枠で理解していれば問題ないと思われます。
機械学習・深層学習に関する基礎知識について自信がない場合は、書籍や Web の教材、他のベンダーが実施している講義・試験を活用してみてはいかがでしょうか。
試験環境について
試験環境は PyCharm に指定のプラグインをインストールして行うのですが、環境はもちろん自分で構築する必要があります。詳細な要件は
こちらに記載がありますので、必ず見ながらセットアップをしましょう。
普段 PyCharm を利用していない方は事前の勉強で利用するなどして、慣れておくことをお勧めします。また、試験はみなさんが普段開発で利用されているノート PC でも問題なく試験を受けることはできますが、ご自身で構築した GPU マシンを利用することも可能です。
試験では実際にモデルを訓練する必要がありますので、GPU 環境があれば、より多くのパターンを試行錯誤することができます。ただし、GPU を利用するには TensorFlow のバージョンに合わせて CUDA をインストールしたりと環境構築に注意が必要なので、
公式サイトでしっかり確認してから設定しましょう。
また、試験ではデータをダウンロードしてきたり、訓練したモデルをその場で採点用のサーバーに送信したり、コードそのものを送信したりする必要があるので、安定したネット環境のもとで受験するようにしましょう。
試験本番について
試験の準備ができましたら、受験する当日で構いませんので、
こちらから試験を購入し、指示に従って、各種情報の登録をしてください。顔写真付きの証明書と本人の写真が必要になりますが、サイト上で Web カメラを使用した撮影もできますので、パスポートや免許証の準備だけしておきましょう。
本人確認と試験環境のプロビジョニングが完了したら、試験をご自身のタイミングで開始できます。ガイドに従って、試験を開始してください。試験を購入すると、メールで追加資料が送られてきますので、本人確認などの間に、必ず一読するようにしましょう。
PC の設定によっては、一部のコードがエラーになる場合もありますので、追加資料には、そうした際にどのように対処しろというような、重要なことが書かれています。慣れている方でしたら、その場でトラブル シューティングができるかもしれませんが、試験という限られた時間の中、想定外のところでエラーになるのは、精神衛生上よろしくありません。
試験は、
ハンドブックにも書かれている通り、どんな教材を参考にしても構いません。問題の量に対して、時間は十分に設定されていますので、分からないことや予期せぬトラブルがあったとしても、試験勉強をした教材や、TensorFlow の公式ドキュメントなどを活用し、冷静に対応していくようにしましょう。
最後に
試験を受ける直前は緊張していましたが、始まってみると、試験を解くというより、より精度の高いモデルを構築するにはどうしたらいいのかを、自分の知識を総動員し、没頭しており、振り返ると、非常に楽しい時間でした。
初心者の方だけでなく、ある程度腕に覚えがある方も楽しめる内容なのではないかと思いますので、資格を持つことによるメリット云々ではなく、「純粋に楽しみながら腕試しをしてみる」目的で受験されてみてはいかがでしょうか?
もし残念ながら不合格だった場合は、次回受けるまでに一定のインターバルが必要なので、その間に解けなかった問題を復習することで、次回の合格を目指しましょう。