ML Kit と TensorFlow Lite でオンデバイス機械学習を身近なものに
機械学習は、技術的なバックグラウンドの不足という制約があるデベロッパーにとって、ますます身近なツールになりつつあります。実際に、Android Developer Challenge で入賞したデベロッパーにとっても、機械学習への挑戦は今回が初めてでした。それでもアイデアを実現できたのは、Google が提供している 2 つの重要なプロダクトもその一助になっています。
その 1 つが
ML Kit です。ML Kit によって、モバイルアプリのデベロッパーは Google のオンデバイス機械学習テクノロジーを利用し、カスタマイズしたインタラクティブなエクスペリエンスをアプリに組み込めるようになりました。ML Kit には、言語翻訳、テキスト認識、物体検知などのツールが含まれています。たとえば、
Eskke は ML Kit の
オフライン テキスト認識と
バーコード スキャンを使い、ユーザーがモバイルマネーの端末で QR コードをスキャンしてすばやく現金を引き出せます。また、
MixPose は ML Kit の新機能である姿勢検知 API を使って、ユーザーのヨガのポーズや動きを検知し、教師がフィードバックできます。
Android Dev Challenge の入賞者の多くが使っていたもう 1 つの Google の技術が
TensorFlow Lite です。この強力な機械学習フレームワークを使うと、通常ではサポートできない Android や iOS、IoT 端末で機械学習モデルを実行できます。TensorFlow Lite の一連のツールは、イメージ検知から音声認識まで、あらゆる種類の強力なニューラル ネットワーク関連アプリに利用できるので、私たちが肌身離さず持ち運んでいる端末で最新テクノロジーを利用できます。たとえば、
Trashly は、カスタム TensorFlow Lite モデルを使って対象物がリサイクル可能かどうか、どのようにリサイクルすればよいかを分析します。
今回入賞した 10 個のアプリのようなイノベーションは、私たちが情報にアクセスして、その情報を使用したり解釈したりする方法を変え、その情報が一番必要なとき、必要な場所で利用できるようにする可能性を秘めています。デベロッパーの皆さんと力を合わせることで、新たなテクノロジーを使って次の波をもたらすデベロッパーがまだ見ぬ可能性を切り開いていくことを期待しています。
#11WeeksOfAndroid 第 2 週「機械学習」次のトピック
#11WeeksOfAndroid 第 2 週は機械学習がテーマです。引き続き、Android デベロッパーの皆さんが利用できる新しいツールや情報をお知らせします。今後の予定は次のとおりです。
- 火曜日 - ML Kit: ML SDK が大幅に改良され、新しいオンデバイス機能が導入されました。デベロッパーのユーザビリティの大幅な改善、CameraX のサポート、そして今後のプラットフォームの方向性をご確認ください。
- 水曜日 - カスタムモデル: パッケージ化された SDK ではニーズを満たせない場合、Android Studio のツールや TensorFlow Lite、ML Kit にその答えがあるかもしれません。個々のプロダクトだけでなく、それらを組み合わせて使う方法もご説明します。
- 木曜日 - ML デザイン: People + AI Guidebook で、ML プロダクトに関する意思決定を行う際のベスト プラクティスを学習しましょう。オンデバイス ML を使って読み方を教えるアプリ、Read Along の内側に迫ります。UX 担当、エンジニア、プロダクト マネージャーなど、チーム全員が必見です!
*ここでご紹介したアプリは個々のデベロッパーのプロジェクトであり、Google のプロジェクトではありません。