OpenTitan ロゴ
チップの信頼の土台となる
RoT チップは、認証と検証が行われたコードを使って重要なシステム コンポーネントが安全に起動することを検証し、ハードウェア インフラストラクチャやそこで動作するソフトウェアが意図どおりの信頼できる状態を保つことを保証します。RoT チップは、以下を行うことで多面的にセキュリティに貢献します。
- サーバーや端末が正しいファームウェアで起動し、低レベルの不正ソフトウェアに感染していないことを保証します。
- オペレータがサーバーや端末の正当性を検証できるように、暗号学的に一意なマシン ID を提供します。
- 暗号キーなどのシークレットを改ざんされない形で保護します。これは、物理的にアクセスできる人(例: サーバーや端末が輸送中の場合)に対しても有効です。
- 信頼できる改ざん不可能な監査記録などのランタイム セキュリティ サービスを提供します。
この RoT チップ テクノロジーは、サーバーのマザーボード、ネットワーク カード、クライアント端末(例: ノートパソコン、スマートフォン)、コンシューマー ルーター、IoT 端末などに利用できます。たとえば、Google は専用の RoT チップ
Titan を利用し、Google のデータセンター内にあるマシンが、検証されたコードによって信頼できる既知の状態から起動することを保証しています。これが私たちのシステムの信頼のルートになっています。私たちは、確実に信頼できるチップの重要性を認識しており、パートナーと連携して、信頼できる RoT チップのメリットをお客様や業界全体に広げたいと考えています。これを実現する最善の方法は、チップをオープンソース化することでしょう。
透過性と安全性の水準を上げる
オープンソース ソフトウェアと同じく、オープンソース チップも以下のことができます。
- 設計と実装が透過的なので、信頼性と安全性が高まります。問題を早期に発見でき、盲目的な信頼を減らすことができます。
- オープンソース設計への貢献を通して、革新を実現し、推進します。
- オープンで共通なリファレンス設計を通して、実装の選択肢を提供し、一連の共通インターフェースやソフトウェアの互換性の保証を維持します。
OpenTitan プロジェクトは、イギリスのケンブリッジに本拠地を置く独立した非営利企業で、フルスタックのエンジニアリング チームが在籍する
lowRISC CIC によって管理され、志を同じくする
ETH Zurich、
G+D Mobile Security、
Google、
Nuvoton Technology、
Western Digital などの企業の連合体により支えられています。
OpenTitan プロジェクトの創設パートナー
OpenTitan はアクティブなエンジニアリング プロジェクトで、パートナーの連合体を代表するエンジニアのチームが参加し、さまざまな観点からアイデアや専門知識を持ち寄っています。オープンソースのマイクロプロセッサ(RISC-V ベースの設計である
lowRISC Ibex)、暗号コプロセッサ、ハードウェア乱数生成器、高度な鍵階層、揮発性および不揮発性ストレージ用のメモリ階層、防御メカニズム、IO 周辺機器、セキュアブートなど、RoT チップの論理設計は透過的に行われています。OpenTitan では、よりオープンで透過的かつ高品質な RoT を提供するため、パートナーの連合体が協力し合っています。
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従来型の RoT と OpenTitan RoT の重要な設計コンポーネントの比較 |
OpenTitan プロジェクトは、次の 3 つの原則に根ざしています。
- 透過性 – あらゆる人のための RoT チップの透過性や信頼性を向上させるため、OpenTitan の設計やドキュメントは誰でも調査、評価、貢献が可能です。
- 高品質 – リファレンス ファームウェア、付帯検証ツール、技術ドキュメントを含め、高品質で論理的に安全なチップ設計を行います。
- 柔軟性 – ベンダーやプラットフォームに依存せず、データセンターのサーバーやストレージ、周辺機器、その他のデバイスに統合できる RoT チップ設計を使うことで、導入者が費用を削減して多くのお客様に製品を届けることができるようにします。
OpenTitan プロジェクトに参加する
OpenTitan を活用できるのは、インフラストラクチャをチップベースのセキュリティで強化したいと考えているチップメーカーやプラットフォーム プロバイダー、セキュリティに敏感な企業などです。早速、
GitHub リポジトリにアクセスしてみてください。
積極的に OpenTitan と連携して実際にオープンソース チップを安全にしたい方は、ぜひ OpenTitan チームに
ご連絡ください。製品にパイロット OpenTitan RoT を組み込みたい方は、こちらから
お知らせいただけるとありがたく思います。