特に差し迫った重要なニーズに対処するために、コミュニティと密接に連携し、たくさんの機能を非常に速いペースで完成させています。中でもすばらしい機能に、
ファイル システム アクセス、
ストレージの無制限割り当て、
SMS ベース認証などの機能があります。認証プロセスで「ワンタイム パスワード」が重要な部分を占めているマーケットで開発しているデベロッパーには、SMS ベース認証が特に重要になります。
この分野には引き続き力を注ぎたいと考えていますが、あなたのアプリをネイティブのシステム共有機能と連携させることができる
Web Share Target API は既にリリースしており、本日の I/O でリリースした
Web Perception ツールキットなどの体験を実現する
Shape Detection API も開放しています。このツールキットを使うと、モバイルカメラを組み込んだり、ウェブサイトの利用効率をアップしたりできます。
モバイルでのこのような強力な機能の提供に加えて、質の高いウェブ エクスペリエンスを構築するデベロッパーのリーチを広げたいとも考えています。そこで、デベロッパーがウェブ コンテンツを Android アプリに組み込めるようにする
Trusted Web Activity をリリースしました。インド最大の手頃な価格のホテル ネットワークである
OYO Rooms などの企業は、既に Trusted Web Activity を使って軽量版エクスペリエンスを構築しています。これは、一部のマーケットのパートナーでよく見られるパターンです。
しかし、私たちにとって一番うれしいのは、デスクトップ機能の進展です。Web Assembly などのテクノロジーや個々のメディア、そして生産性を向上する API 群によって、新しいユースケースを数多く実現できています。
Hulu や
Google の Duo は、現在のウェブで実現できるすばらしい事例を表しています。また、Slack が、オフライン対応したデスクトップ アプリのウェブ版を今年中にリリースするために力を尽くしていることをうれしく思います。
昨年、フルウィンドウのサポートや一般的なデスクトップ アプリ機能を必要とするウェブアプリを実現するため、デスクトップ PWA が ChromeOS に対応しました。そして、このサポートは Windows、Mac、Linux に広がっています。
デスクトップ PWA には目覚ましい勢いがあり、ユーザーが高品質な PWA を見つけて簡単にインストールできるように、私たちの役割を果たしてゆきたいと考えています。そこで、Chrome の UI のアドレスバー内に直接 [インストール] ボタンを作って見つけやすさを向上させました。これは、デベロッパーが忠実なユーザーに対するエンゲージメントを向上させ、すばらしい体験を構築できるようにするための 1 歩です。この点については、さらに改善してゆきます。
端末のフラグメント化が激しい中、ローエンドのフィーチャー フォンから大画面デスクトップまで、すべての端末で動作する体験を作ることができるか、確認する必要がありました。そこで、楽しいゲーム
Proxx を制作しました。これは、UI に preact を使い、ワーカーを使ってメインスレッド以外で多くの処理を行えるように
Comlink を利用しています。そして、すべての端末で動作します。制約の多い端末でも問題はありません。ウェブ上にあるので直接プレイすることもできますが、おそらく記事を読み終わってからの方がよいでしょう :)
来年中に、ウェブで次世代のゲーム、生産性、メディア、ソーシャル アプリを実現するさらなる可能性を実現したいと考えています。もちろん、ユーザーの安全性や信頼性といった中核原則はすべて維持します。
透明性と選択肢とコントロールをユーザーの手に
ユーザー エクスペリエンスは私たちにとって非常に重要で、その中心にあるのはユーザーの安全性とプライバシーです。I/O では、Chrome が Cookie を扱う方法に関する重要な変更予定について
お知らせしました。これは、トラッキングに対する選択権を提供して、ウェブ全般のセキュリティとプライバシーを向上させるものです。今年中には、ユーザーにウェブのトラッキングに関する透明性と制御を提供できる新機能のプレビュー版を Chrome に導入する予定です。
私たちは、以上の変更によって、ウェブにおけるユーザーのプライバシーとセキュリティが向上すると信じています。しかし、それには時間がかかるということもわかっています。そのため私たちはウェブのエコシステムと連携し、Chrome がどのようにポジティブなユースケースをサポートし続けることができるかを理解し、よりよいウェブを構築してまいります。
デベロッパー エクスペリエンスの改善
ウェブ プラットフォームのスコープは広がり、高速で安全で高機能を求めるユーザーからの声は高まっています。その中で、高品質なサイトを作るのは、難しくなるのではなく簡単になるべきです。
そこで、
web.dev を構築し、Lighthouse という測定ツールとガイドを 1 か所にまとめました。このサイトを改善し、現在、パフォーマンス、安全性、アクセシビリティ、レジリエンスなどを実現する 200 以上のわかりやすいガイドを参照できるようになっています。I/O では、
React を始めとして、皆さんが使うツールのガイドを作成する予定もお知らせしました。
現在は、デベロッパー レポートや利用しているフレームワークについての改善のヒントを提供できるように、
Lighthouse に同レベルのカスタマイズを追加する作業を行っています。Wordpress 用のガイドは既に組み込まれています。2019 年およびそれ以降で、さらに追加する予定です。
この 30 年間で、ウェブは長い道のりを歩んできました。デベロッパー コミュニティの皆さんや他のブラウザと協力して、多くの人がどこからでも情報やサービスにアクセスできるようにするという共通のミッションに向かえることは私たちのよろこびです。
Google I/O Extended: Recap Live Japan 2019 より、日本語で行われたセッション
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