クラスタ デザイン
主な計算ノードとして選んだのは、
n1-megamem-96
インスタンスです。これは、Compute Engine で利用できる仮想マシンタイプのうち最大のもので、このプロジェクトの開始時点で Intel Skylake プロセッサを搭載していました。Skylake 世代の Intel プロセッサは
AVX-512 をサポートしています。これは、512 ビットのデータ(倍精度浮動小数点数 8 つ)に対して一度に浮動小数点演算を行うことができる 512 ビット SIMD 拡張機能です。
現時点では、Compute Engine の各仮想マシンに対して、最大 64 TB の Persistent Disk をマウントできます。そこで、iSCSI プロトコルを使って Persistent Disk をリモートからアタッチし、容量を追加しました。ノードの数は、y-cruncher のディスク ベンチマーク パフォーマンスに基づいて決定しました。計算ノードとストレージ間で十分な帯域幅を確保するため、iSCSI ターゲット マシンには
n1-standard-16
を使いました。下りネットワークの帯域幅と Persistent Disk のスループットは、vCPU コア数によって決まります。
具体的な計算方法
私たちの
pi.delivery サービスは、ウェブから π の数にアクセスできる REST API を提供しています。いくつかのおもしろい実験によって、π を見たり聞いたりする試みも行っています。
皆さんがこの数を簡単に利用できるように、結果の π の数をスナップショットとして Google Cloud Platform で公開しています。それぞれのスナップショットには、小数が記述された 1 つのテキスト ファイルが含まれています。このイメージから、新しい Persistent Disk を作ることができます。Linux と Windows のオペレーティング システムそれぞれに対応できるように、XFS と NTFS の両方のディスク フォーマットを準備しています。スナップショットは、
us マルチリージョンにあります。
スナップショットにアクセスするには、
pi-31415926535897 Google Group に参加する必要があります。us-central1、us-west1、us-east1 リージョンのいずれかのプロジェクトでクローンしたディスクを保持する場合、1 日当たりおよそ 40 ドルがかかります。スナップショットは、2020 年 3 月 14 日まで保管する予定です。スナップショットは、以下の場所にあります。
XFS: https://www.googleapis.com/compute/v1/projects/pi-31415926535897/global/snapshots/decimal-digits-xfs
NTFS: https://www.googleapis.com/compute/v1/projects/pi-31415926535897/global/snapshots/decimal-digits-ntfs
プロジェクトで、XFS スナップショットをベースに
pi314-decimal-digits-xfs
という名前の新しいディスクを作りたい場合、たとえば次のコマンドを入力します。
gcloud compute disks create pi314-decimal-digits-xfs --source-snapshot https://www.googleapis.com/compute/v1/projects/pi-31415926535897/global/snapshots/decimal-digits-xfs
予期しない課金を防ぐため、作業が終わったら忘れずにディスクを削除するようにしてください。
gcloud compute disks delete pi314-decimal-digits-xfs
詳しい手順やイメージの使い方については、
ブートディスク以外のディスク スナップショットの復元セクションと、
gcloud compute disks create コマンドヘルプをご覧ください。
一巡する
数学や科学の世界には、破られるのを待っている記録がたくさんあります。31 兆 4000 億桁の計算はすばらしい経験でしたが、私たちは次の困難な挑戦に向かうことを楽しみにしています。それまでの間は、楽しい実験でこの日を祝いましょう。実験的ウェブサイト Showcase に掲載されている Pi Day Celebration という
クラウド実験では、選んだ π の桁からカスタムアート作品を生成することができます。サンフランシスコで開催される
Google Cloud Next '19 に参加予定の方は、Alexander Yee 氏を招いてこの実験の詳細や考察を解説する
詳細テクニカル セッションにお越しください。DevZone では、Showcase の実験を体験したり、π を計算するライブ実験を見ることもできます。