認証にさまざまなバイオメトリック センサーが使用されるようになっていますが、Google では、センサーのタイプとアプリを横断してエクスペリエンスの一貫性を向上させています。Android P には、サポートされるタイプのバイオメトリック認証をユーザーに求める、システム管理ダイアログが導入されています。アプリ独自のダイアログをビルドする必要がなくなりました。代わりに
BiometricPrompt API を使用すると、標準のシステム ダイアログが表示されます。この API では、指紋認証センサー(ディスプレイ内センサーを含む)に加えて、顔および虹彩認証がサポートされます。
アプリで独自の指紋認証ダイアログを描画している場合、できるだけ速やかに
BiometricPrompt API の使用に切り替える必要があります。
その他
アプリで端末のカメラを使用している場合は、複数の物理カメラのストリームに同時にアクセスできるようにする新しい
マルチカメラ API を試してみてください。デュアルカメラが搭載されている端末では、シームレスなズーム、ぼかし、立体視など、単一のカメラでは実現できない画期的な機能を実現できます。デュアルカメラが搭載された
Android P ベータ版端末を使用して、すぐにこれらの機能を導入できます。
オーディオ アプリでは、
Dynamics Processing API を使用してマルチステージかつマルチバンドの Dynamics Processing エフェクトにアクセスし、Android 端末で再生されるオーディオを調整して、リスナーの好みや周囲の環境に合わせてオーディを最適化できます。
新しい機能と API の全リストについては、
Android P の機能の概要をご覧ください。
対応を開始するためのシンプルな数ステップ
最初に、
アプリの互換性を確保し、ユーザーがシームレスに Android P に移行できるようにします。
Android P ベータ版端末か
エミュレータに、Google Play にある現在のアプリをインストールし、テストします。アプリは正しく表示および実行され、すべてのアプリに対する Android P の
動作の変更点に問題なく対処できる必要があります。必要なアップデートを終えた後は、アプリのプラットフォームのターゲットを変更せず、すぐに Google Play で公開することをおすすめします。
サポート対象の端末がない場合は、テスト環境として、Android Emulator で
Android Virtual Device をセットアップできます。最近試していないという方は、エミュレータが信じられないほど高速になっていることに気づくはずです。6 秒未満で起動し、長い画面や切り欠きがある画面といった次世代の画面まで試すことができます。
次に、できるだけ早く
アプリの targetSdkVersion を 28 にアップデートして、Android P でアプリを使用するユーザーがこのプラットフォームの最新のセキュリティ、パフォーマンス、安定性機能の恩恵を受けられるようにしてください。
間もなく適用される Google Play のポリシーに即して、アプリが既に API 26 以降を対象としている場合は、28 を対象とするように簡単に変更できます。
また、
非 SDK インターフェースの使用に関してアプリをテストして、これらのインターフェースへの依存を削減することが重要です。
以前説明したように、Android P より、一部の非 SDK インターフェースへのアクセスを制限するプロセスを徐々に開始します。制限される非 SDK インターフェースの直接的な使用をハイライト表示する logcat の警告を監視し、プログラムでアクセスを捕捉する新しい StrictMode メソッド
detectNonSdkApiUsage() を試してみてください。可能であれば、Android SDK または NDK が提供する同等なパブリック API の使用に移行する必要があります。ユースケースに適合するパブリック API がない場合は、
ご連絡ください。
準備ができたら、
Android P に移行して
新機能と API について学習し、アプリを拡張してください。新しい API を使ってビルドするには、
正式な API 28 SDK とツールを Android Studio 3.1 にダウンロードするか、最新版の
Android Studio 3.2 を使用してください。その後、プロジェクトの compileSdkVersion と targetSdkVersion を API 28 にアップデートします。
詳細とドキュメントについては、
デベロッパー プレビュー サイトをご覧ください。また、デベロッパー向けに Android P の新機能を解説した
こちらの動画と
Google I/O Android プレイリストをご覧ください。
Google Play のアルファ版、ベータ版、または製品版のチャンネルに公開する
本日から、API 28 でコンパイルした、またはオプションで API 28 を対象とする APK アップデートを公開できます。プレビュー期間中にアップデートを Google Play に公開すると、ユーザーにアップデートをプッシュして、Android P ベータ版 2 を実行している端末を含む、既存の端末で互換性をテストすることができます。
アップデートしたアプリが Android P だけでなく旧バージョンでも動作することを確かめるには、通常、
Google Play のベータ版テスト機能を使って、Android P ベータ版 2 のユーザーを含む少人数のユーザーから初期段階でのフィードバックを入手します。その後、製品版への段階的ロールアウトを実施します。
Android P ベータ版 2 を入手する方法
Pixel 端末の場合、
端末を Android ベータ版プログラムに登録すると、Android P ベータ版 2 へのアップデートを OTA で自動的に受け取ることができます。既に登録していて、ベータ版 1 を受け取っている場合は、間もなくアップデートが送信されます。
Android P ベータ版プログラムに参加しているパートナーは、今後数週間で端末がアップデートされる予定です。
パートナーが提供するサポート対象の端末と Pixel 端末の全リストは、
android.com/beta で確認できます。各端末の仕様が記載されているほか、ダウンロード、サポート、問題の報告が行えるメーカーの専用サイトへのリンクが提供されています。
いつもフィードバックにご協力いただき、ありがとうございます。今夏の終わり頃に予定している正式リリースに向けて努力してまいりますので、今後も
フィードバックやリクエストをお寄せください。
プラットフォームの問題、
アプリの互換性の問題、
サードパーティ SDK の問題がありましたら、ホットリストを自由にお使いください。
Android P に対応した皆さんのアプリを楽しみにしています。
Reviewed by
Takeshi Hagikura - Developer Relations Team