先日、Android Wear SDK の最新版(2.2.0)をリリースしました。ウォッチフェイスに関連するいくつかの機能強化が行われており、すべてのウォッチフェイスに未読通知インジケーターが追加されています。この機能は、今後計画されている Android Wear の正式リリースに含まれる予定です。Wear SDK 2.2.0 を使うと、通知インジケーターのカスタマイズや、独自の通知インジケーターの表示を行えるようになります。この機能が SDK とエミュレータを通してデベロッパー コミュニティに早期提供されるのは、インジケーターが皆さんのウォッチフェイスのデザインに合うかどうかを確認していただくためです。また、
ComplicationDrawable
クラスの機能も強化されており、Android Oreo をベースとした Wear エミュレータの最終版も公開されます。
未読通知インジケーターの概要
Wear のエクスペリエンスにとって、通知は非常に重要です。そこで、次回の Wear の正式リリース(バージョン 2.9.0)から、新しい未読の通知がある場合に、デフォルトでウォッチフェイスの最下部にドット型のインジケーターが表示されるようになります。ウォッチフェイスのデベロッパーは、最新版のエミュレータで自分のウォッチフェイスを表示させてインジケーターをプレビューできます。
WatchFaceStyle.setAccentColor
を使うと、インジケーターのアクセント カラーのカスタマイズも可能です。下のサンプルにあるように、デフォルトの色は白ですが、ドットの周辺のリングの色はお好みのアクセント カラーに設定できるので、ウォッチフェイスの他の部分と合わせたデザインを実現できます。
新しいインジケーターがウォッチフェイスのデザインと合わない場合は、
WatchFaceStyle.setHideNotificationIndicator
を使って表示をオフにして、次の 2 つの方法で通知オプションを表示することもできます。1 つ目は、
WatchFaceStyle.setShowUnreadCountIndicator
を使って未読通知の数を通知領域(システムトレイ)に表示する方法です。2 つ目は、
WatchFaceStyle.getUnreadCount
を使って未読通知の数を取得し、皆さんのウォッチフェイスの独自スタイルに合う形で数を表示する方法です。
ComplicationDrawable の機能強化
昨年の Google I/O でリリースされた
ComplicationDrawable
クラスは、継続的に改善されています。今回の最新 SDK リリースでは、2 つの機能強化が行われました。
- パーミッションの処理 - ウォッチフェイスの追加機能のコンテンツを表示するための正しいパーミッションがウォッチフェイスに付与されていない場合、ウォッチフェイスの追加機能のタイプ
TYPE_NO_PERMISSION
が発行されます。ComplicationDrawable
はこれを自動的に処理するようになり、onTap
でパーミッションのリクエストが行われます。すでにパーミッション画面を呼び出す独自のコードを実装している場合は、パーミッション画面が 2 回トリガーされないことを確認し、必要に応じて不要なコードを削除してください。
- ドローアブルのコールバック - ウォッチフェイスの追加機能にイメージやアイコンが含まれている場合、他の初期データが届いた後、少しだけ読み込みに時間がかかる可能性があります。そのため、以前は毎秒画面を再描画することが推奨されていました。しかし、たとえば 1 分ごとにしか更新が必要にならないウォッチフェイスの場合、このような処理は不要です。そこで、
ComplicationDrawable
が Drawable.Callback
をサポートするようになりました。画面の更新頻度を毎秒よりも減らしたいデベロッパーは、この新しいコールバックを利用してイメージが読み込まれたときにウォッチフェイスを再描画するようにしてください。
詳細については、
Android Wear リリースノートをご覧ください。リリースノートには、エミュレータに関する情報も掲載されています。
今後の改善予定
多くの皆さんは、Wear 2.0 がリリースされてからの数か月で、Android Wear に対する機能強化リリースが着実に行われていることにお気づきでしょう。私たちは、数か月後に向けてさまざまな開発を行っています。機能の準備ができ次第、共有できることを楽しみにしています。
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