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Condé Nast が Accelerated Mobile Pages を導入した理由とその方法
2017年10月4日水曜日
この記事は Condé Nast、Oscar Perez による Accelerated Mobile Pages Project の記事 "
The Why and How of Accelerated Mobile Pages at Condé Nast
" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
編集者のメモ:
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Google が主導する AMP プロジェクトとは
Accelerated Mobile Pages は HTML、CSS、JavaScript に適用される、パフォーマンスに重点を置いた一連の制限であり、パフォーマンスを最大限に高め、Google が CDN を介して最適化されたコンテンツを配信できるようにします。つまり、AMP は、HTML タグの代わりに、AMP ウェブ コンポーネントの使用を強制し、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性のある CSS セレクターを制限し、サンドボックス化された iframe の外部で非 AMP JavaScript を使用することを禁止します。AMP の形式、その仕組み、Google 検索にどのように適合するかの詳細については、
公式の概要
、
技術的な説明
、
AMP by Example
ポータルをご覧ください。
AMP で公開する理由
Condé Nast は世界で最も名高い出版社の 1 つです。Condé Nast が発行している Ars Technica、Bon Appétit、Golf Digest、GQ、Pitchfork、The New Yorker、Vanity Fair、Vogue、Wired や
その他のブランド
は広く認知されていることと思います。出版社として AMP を実装することは簡単でした。パフォーマンス、一貫性、モバイル ユーザー向けのエクスペリエンスの観点から見て、AMP は多くのメリットをもたらします。Google 検索から当社のサイトにアクセスするユーザーは、検索化からコンテンツに到達するまで妨げられることのないフローを体験します。Google の CDN と AMP HTML が強制するパフォーマンス ガイドラインのおかげで、AMP コンテンツはすばやく読み込まれます。AMP のレイアウト システムにより、サードパーティ コンテンツが読み込まれる際にページ上のコンテンツが動き回らないため、快適に閲覧できます。当社の通常のサイトはいかなる場合も低速にならず、競合他社よりも読み込み時間とレンダリング時間を短縮していますが、コンテンツが Google の CDN で配信される場合は、ユーザーに対して特定のパフォーマンスが保証されます(プリフェッチなど)。
ここで一歩下がって、出版社である当社の動機について考えてみましょう。当社は収益を生み出すために、コンテンツの訴求力を高め、可能な限り多くの読者にコンテンツを見つけてもらう必要があります。当社のブランド全体を通じて高品質のコンテンツで読者をつなぎ止めておけば、当社の収益が最大化します。AMP により、これらのニーズを満たすことが容易になります。AMP を活用すると、コンテンツを Google のトップニュース カルーセルに含めたり、通常の Google 検索の結果を改善したりできるため、コンテンツの可視性と検出可能性が向上します。また、統合された AMP ビューアーを介して Google 検索からのシームレスな操作感を実現することにより、世界中どこでもコンテンツが一貫してすばやく読み込まれるようになります。このシームレスな操作感はエンゲージメントの増加と直帰率の減少をもたらします。収益化によるメリットはそれほど決定的ではなく、その結果について、現在の実装を詳細に分析しているところです。初期の AMP 導入では、コンテンツ ターゲティング広告のみを配信しました。コンテンツ ターゲティング広告は、コンテンツ ターゲティング広告とオーディエンス ターゲティング広告の両方をサポートする当社の通常のモバイルサイトに配信する広告よりも CPM(インプレッション単価: 広告が 1000 回表示されるごとにサイトオーナーが払う金額)が低くなっています。ターゲティング広告を改善し、他の収益パートナーへのサポートを追加したため、ブランドによっては、AMP の CPM が同じままか、高くなったサイトがあります。
Vanity Fair には、1 年ほど前に AMP を導入しました。導入後、トラフィックと検索ランク結果がかなり好転しました。Google 検索のクリックスルー率が 5.9%(通常)から 10.3%(AMP)になり、平均的な検索位置が 5.9(通常)から 1.7(AMP)になりました。それ以降、当社の 15 のブランドに AMP をデプロイしましたが、その結果にとても満足しています。現在、AMP は当社のモバイル検索トラフィックの 79% を、モバイル アクセス全体の 36% を占めています。Condé Nast では、当社のブランドの技術的努力の結果、混乱を最小限に抑えながら、AMP の実装を 1 つのブランドから 15 のブランドにまで拡張できました。
AMP の実装方法
当社のブランドの AMP コンテンツは、ページの AMP 版の URL を指す link rel="amphtml" タグを通常のページの head セクションに含めることにより検出されます。当社のアーキテクチャでは、AMP URL のトラフィックが社内 AMP サービスのプロキシ サーバーに送られ、リクエストされたコンテンツの AMP 版が生成されます。次の図は、当社のコンテンツ作成および AMP 配信アーキテクチャの概要を示しています。
Condé Nast AMP サービス アーキテクチャ
当社のブランドはすべて、社内コンテンツ管理システム(CMS)である Copilot を使用しています。CMS は、コンテンツを Copilot Markdown と呼ばれるカスタマイズ版のマークダウンで保存しますCopilot Markdown は CommonMark 仕様の拡張機能セットであり、編集者が使用する埋め込み、コールアウト、区切り、その他の機能のための特別な構文を追加します。
Google ユーザーが当社のブランドの 1 つの AMP 結果を開くと、Google AMP CDN が最新のキャッシュ コピーをすばやく配信します。この背後では、Google AMP CDN が、当社のブランド ドメインにある AMP ドキュメントの URL へのリクエストをトリガーします。当社のすべてのブランドは、別のキャッシュ レイヤーを提供する Fastly CDN を利用しています。リクエストが Fastly をヒットすると、ブランドの Varnish Control Language(VCL)構成のロジックにより AMPコンテンツのリクエストかどうかが判定されます。AMP コンテンツのリクエストである場合は、Fastly がリクエストのバックエンドを AMP サービスに設定し、その後、このサービスが処理を引き継ぎ、リクエストされたコンテンツの AMP HTML が生成されます。
AMP サービスがコンテンツをレンダリングできるようにするには、CMS からコンテンツを取得してから、コンテンツを解析し、有効な AMP HTML にレンダリングされる React コンポーネントに変換する必要があります。次の図は、AMP サービス内部にあるこのレンダリング パイプラインを示しています。
AMP サービスのレンダリング パイプライン
Condé Nast では、ほとんどのブランドの通常のウェブサイトのために、技術スタックで Node.js と React を使用しています。AMP コンテンツを生成するために React と
サーバー側レンダリング
を活用することは、非常に理にかなっています。この選択により、当社のブランドのエンジニアが AMP コードベースに簡単に貢献できるようになります。また、Node.js と React を使用することにより、通常のサイトと AMP サービスでコンポーネントとヘルパー コードを再利用できるようになりました。
AMP サービスを作成するうえで、AMP 経由で配信されたときにブランドがデザインと操作感を維持できることが重要な優先事項でした。AMP サービスでは、これを実現するために、当社の正当なデフォルトをオーバーライドする独自の構成と
Sass
ファイルをブランドが提供できるようにしています。この構成と SCSS ファイルが提供された場合、AMP HTML マークアップ出力と CSS がそれぞれ制御されます。ブランドはこのアプローチを通して、機能を切り替えたり、設計をカスタマイズしたりできます。将来的には、React コンポーネントの拡張性をさらに活用して、ブランドの AMP HTML マークアップ出力を詳細にカスタマイズできるようにします。当社のすべてのブランドでこのようなサービスを活用できるようにすることは非常に有益で、無駄な労力を大幅に削減します。ブランドは単一の設定ファイルを追加して、Fastly VCL 設定を変更するだけで AMP トラフィックの配信を開始できます。AMP 実装の機能セットを拡張し、多くのブランドに AMP を導入してきた結果、このアーキテクチャが大幅に拡張可能なソリューションであることが証明されました。
当社の認識
当社の一元化されたコンテンツ管理システムとサービス指向アーキテクチャにより、新しいブランドに AMP を導入することが非常に簡単になりましたが、常にうまくいくとは限りませんでした。最初のブランドに AMP を導入したときは、サービス アーキテクチャを使用せずに、各ブランドが AMP プラグインに依存する必要があるプラグイン アーキテクチャを使っていました。このプラグイン アーキテクチャの使用により、他のブランドに AMP を導入するときにコードの重複が発生したほか、すべてのブランドに新しいプラグイン バージョンを展開することが難しくなりました。これらの問題は、共有 AMP サービスに切り替えたことにより解決しました。サービス指向アーキテクチャの機能性と拡張性はもはや明らかです。AMP サービスは、Condé Nast のブランドを横断した共有サービスでの使用が検証されています。さらに、共有ツール、API、技術的取り組みによりすべてのブランドでデータを共通の形式(Copilot Markdown)で保存できるようになったメリットは明白です。
まとめると、AMP は、トラフィックの観点でビジネスに良い影響を与え、Google ユーザーのエクスペリエンスを向上させています。現在、AMP は当社のモバイル トラフィック全体の 36% を占めています。ビジネスの収益化のチャンスをもたらし、AMP ユーザーのエクスペリエンスを改善する機能を継続的に追加しています。Google 以外のプラットフォームが
AMP コンテンツを配信
することを決断し、より多くの組織が
AMP オープンソース プロジェクト
に参加するようになれば、どのような未来が到来するかを楽しみにしています。
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