この記事は Steve Ganem、プロダクト マネジャーによる The Firebase Blog の記事 "Realtime Analytics For Everyone" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。

Steve Ganem

Steve Ganem
Product Manager
アナリティクスでは、データをすぐに参照できればできるほど、すばやく行動をとることができ、データの価値も上がります。私たちは Firebase Analytics を最初にリリースして以来、この点を最優先課題に位置付け、この目的の実現に向けて懸命に努力を続けています。

昨年 11 月には、リアルタイム コンバージョン機能をリリースしました。その結果、もっとも重要なイベントがエンドユーザーの端末から即座に送信されるようになりました。それと同時期に BigQuery へのリアルタイム エクスポート機能もリリースされており、クライアントで発生したイベントがサーバーに送信され次第、BigQuery で分析できるようになりました。


しかし、BigQuery を利用していない方は、数時間待たなければ Firebase Analytics で有意義な結果を確認することはできませんでした。そのため、アプリのアナリティクスをデバッグしたい場合や、最新の変更に対してコミュニティがどう反応しているかについてすばやくスナップショットをとりたい場合、この数時間はとても長く感じられます。


このようなニーズに対応するために、Firebase Analytics で StreamView と DebugView が一般公開されたことをお知らせします。


StreamView は、Firebase Analytics に届いたイベントを視覚化します。これよって、ユーザーがアプリをどのように使っているかを大まかに把握することができます。StreamView を参照すると、新しい機能が望み通りの高い評価を受けているかどうか、最新版アプリのロールアウト状況、直近のリピート率向上の取り組みに対する反応などを測定できます。これらはすべて、Firebase Analytics がイベントを受領し次第、リアルタイムに確認できます。


StreamView では、世界のどこでアプリが使われているかを都市単位で把握できます。




また、ユーザーの中でもっとも一般的なユーザー プロパティを確認することもできます。




さらに、アプリでどんな種類のイベントが起こっているかについて概要を把握することもでき、それらのイベントに関して記録されたすべてのカスタム イベント パラメータの内訳を確認することもできます。




これらの値はすべてレポート フィルタとして利用できるので、あるイベントが世界のどこで発生しているかや、特定の製品が好評を得ているかどうかを確認できます。また、ある国や都市でどのユーザー プロパティやイベントが一般的なのかを確認することもできます。


StreamView 固有の機能の 1 つが、ユーザー スナップショットです。これは、ランダムに選択された 1 人のユーザーのイベントをライブでストリーミングする機能です。この機能を使うと、個々のユーザーがアプリの中でたどった軌跡をもとに洞察を行うことができます。




ユーザー スナップショット ビューの中では、設定されているユーザー プロパティや、ユーザーの端末、場所を表示でき、ドリルダウンしてユーザーが送ってくるイベントのパラメータの内容まで確認できます。また、場所やアプリのバージョンを基準に、表示するユーザーを絞り込むことも可能です。




完全なレポートを得るまたは複数のデータセット間で相互参照を行うには、引き続き BigQuery を使用する必要があるかもしれませんが、StreamView で発生するイベントを確認するだけでも、アプリについて驚くほどたくさんのことを知ることができます。「サンタを追いかけよう」(Santa Tracker)チームは、初期段階の StreamView を利用し、この機能が「すごい奴」(これは実際の表現です)であることを確信しました。


ぜひ、デモ プロジェクトで StreamView の機能を確認してみてください!


StreamView は、一般公開されたアプリの状況をリアルタイムに把握できるすばらしいツールではあるものの、端末からのイベントの送信がバッチ単位で行われる点は変わりません。この動作はユーザーや電池の最適化の観点ではよいことですが、アプリの開発中にアナリティクスの設定が正しいかどうかを即座に確認するのは困難です。


DebugView では、Firebase Analytics に送信されたイベントを即座に確認できます。この機能は、Analytics Debugging がオンになっているすべての端末で有効化され、アプリの開発中に適切なイベントが適切なパラメータで記録されていることを確認する際に非常に便利です。




DebugView には、すべての開発端末のイベント、パラメータ、ユーザー プロパティが表示されます。さらに、不正なパラメータを含むイベントはハイライト表示されるので、アプリを公開する前に修正することができます。




この機能を試してみたい方は、DebugView のドキュメントを参照するか、プロジェクト コンソールで機能を探してみてください。


Posted by Khanh LeViet - Developer Relations Team