Daydream Labs: 仮想現実(VR)内でのコミュニケーション
2016年6月27日月曜日
[この記事は Rob Jagnow、Google VR ソフトウェア エンジニアによる Google Developers Blog の記事 "Daydream Labs: VR plays well with others" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]
Daydream Labs では、仮想現実(VR)コンセプトをラピッド プロトタイピングするためにエンジニアとデザイナーをペアにします。そこで学んだ知識はこれまでも VR コミュニティと共有しています。今回は VR のソーシャル面に注目します。これまでに行った実験の多くで、他の人と一緒に VR 内にいると、いくつかの点に配慮しさえすれば、VR エクスペリエンスが増幅され、高められることが分かっています。この記事では、これまでに学んだことを紹介します。
シンプルさが力になる。アバター(VR 内でユーザーを仮想的に代替するもの)を簡略化して、きょろきょろ動く目玉がついた頭部が浮かんでいるだけでも、感情や意図、多くの社会的手がかりを驚くほど良く伝えられます。目があると、ユーザーが視線を向け、話しかける対象になるだけでなく、基本的な要素しかないアバターでも人間らしくなるので、面と向かってのコミュニケーションが増えます。これを、手や空間内に配置した音声と組み合わせると、互いの存在を感じる効果が生まれます。
現実空間と仮想空間をつなぐ。VR 内にひとりでいても、つながっていると感じられるようにすることができます。たとえば、一緒に VR 内にいなくても、VR 内の人と会話し続けることは可能です。VR の外にいる人の声は、中にいる人に、自分が 2 つの空間、つまり現実空間と仮想空間の両方に存在しているということを、さりげなくリマインドする役割を果たすかもしれません。こうした非対称のエクスペリエンスは、シャレードや Pictionary のようなジェスチャーなどによる言葉あてゲームのように、ひとりのプレーヤーが VR 内、他のプレーヤーは VR 外にいるというルールのパーティー ゲームの基礎として、面白い方法になるかもしれません。
ただし、その VR 内に他のプレーヤーも一緒にいると、現実世界は徐々に消え去るということが実験でたびたび観察されています。大半のマルチプレーヤー型ゲームでは、ゲームが非常に魅力的になるので、理想的だといえます。
共通のゴールを設定する。他の人と一緒の VR 体験に初めて参加するときには、どこから始めていいか分からずに困ってしまうことがあります。結局のところ、パーティーを開くより、後から参加するほうが簡単なのです。マルチプレーヤー型ゲームの場合は、共通のゴールを設定しましょう。プレーヤーが協力してできることを用意しておけば、雰囲気を和ませるのにも役立ちますし、友達になることもできます。そして VR をいっそう楽しむことができます。
親しくなれる配慮をする。最後になりますが、オフラインで知り合いのユーザー同士であれば、VR 内での背の高さや、その違いにすぐに気がつきます。高さや縮尺の値を調整して環境を再設定すれば、誰もが同じ身長に見える VR 世界を構築できます。あるいは、表示設定を調節すれば、それぞれのユーザーが、部屋で一番背が高いのは自分だと感じるようにすることも可能です。身長というのは、現実世界では影響力のある行動様式のひとつなので、VR の設定を調整することで、ユーザーがよりフレンドリーで社交的な交流をするようにすることができます。
Daydream Labs について、またそのこれまでに分かったことについて詳しく知りたい場合には、最近行われた Google I/O セッション「VR プロトタイプ開発から学んだこと」の動画をご覧ください。
Posted by Eiji Kitamura - Developer Relations Team
Daydream Labs では、仮想現実(VR)コンセプトをラピッド プロトタイピングするためにエンジニアとデザイナーをペアにします。そこで学んだ知識はこれまでも VR コミュニティと共有しています。今回は VR のソーシャル面に注目します。これまでに行った実験の多くで、他の人と一緒に VR 内にいると、いくつかの点に配慮しさえすれば、VR エクスペリエンスが増幅され、高められることが分かっています。この記事では、これまでに学んだことを紹介します。
シンプルさが力になる。アバター(VR 内でユーザーを仮想的に代替するもの)を簡略化して、きょろきょろ動く目玉がついた頭部が浮かんでいるだけでも、感情や意図、多くの社会的手がかりを驚くほど良く伝えられます。目があると、ユーザーが視線を向け、話しかける対象になるだけでなく、基本的な要素しかないアバターでも人間らしくなるので、面と向かってのコミュニケーションが増えます。これを、手や空間内に配置した音声と組み合わせると、互いの存在を感じる効果が生まれます。
現実空間と仮想空間をつなぐ。VR 内にひとりでいても、つながっていると感じられるようにすることができます。たとえば、一緒に VR 内にいなくても、VR 内の人と会話し続けることは可能です。VR の外にいる人の声は、中にいる人に、自分が 2 つの空間、つまり現実空間と仮想空間の両方に存在しているということを、さりげなくリマインドする役割を果たすかもしれません。こうした非対称のエクスペリエンスは、シャレードや Pictionary のようなジェスチャーなどによる言葉あてゲームのように、ひとりのプレーヤーが VR 内、他のプレーヤーは VR 外にいるというルールのパーティー ゲームの基礎として、面白い方法になるかもしれません。
ただし、その VR 内に他のプレーヤーも一緒にいると、現実世界は徐々に消え去るということが実験でたびたび観察されています。大半のマルチプレーヤー型ゲームでは、ゲームが非常に魅力的になるので、理想的だといえます。
共通のゴールを設定する。他の人と一緒の VR 体験に初めて参加するときには、どこから始めていいか分からずに困ってしまうことがあります。結局のところ、パーティーを開くより、後から参加するほうが簡単なのです。マルチプレーヤー型ゲームの場合は、共通のゴールを設定しましょう。プレーヤーが協力してできることを用意しておけば、雰囲気を和ませるのにも役立ちますし、友達になることもできます。そして VR をいっそう楽しむことができます。
親しくなれる配慮をする。最後になりますが、オフラインで知り合いのユーザー同士であれば、VR 内での背の高さや、その違いにすぐに気がつきます。高さや縮尺の値を調整して環境を再設定すれば、誰もが同じ身長に見える VR 世界を構築できます。あるいは、表示設定を調節すれば、それぞれのユーザーが、部屋で一番背が高いのは自分だと感じるようにすることも可能です。身長というのは、現実世界では影響力のある行動様式のひとつなので、VR の設定を調整することで、ユーザーがよりフレンドリーで社交的な交流をするようにすることができます。
Daydream Labs について、またそのこれまでに分かったことについて詳しく知りたい場合には、最近行われた Google I/O セッション「VR プロトタイプ開発から学んだこと」の動画をご覧ください。
Posted by Eiji Kitamura - Developer Relations Team