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Android Studio 2.2 プレビュー - 新しい UI デザイナーと Constraint Layout
2016年6月15日水曜日
[この記事は
Jamal Eason
、Android プロダクト マネージャーによる Android Developers Blog の記事 "
Android Studio 2.2 Preview - New UI Designer & Constraint Layout
" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]
先月開催された Google I/O 2016 で、Android Studio 2.2 プレビューが発表されました。このリリースは、Google が重視する高速で生産性の高い Android 用統合開発環境(IDE)の大幅なアップデートです。Android Studio は Android プラットフォームと歩調を合わせて開発されており、最新の Android の API や機能を活用した開発が可能になっています。Android Studio は、ちょうど 3 年前の Google I/O で発表されました。それ以来、どのような機能がもっとも望まれているかについて、すばらしいフィードバックをいただいてきました。現在、Google Play のトップ 125 アプリおよびゲームのデベロッパーの 92% と、世界中のたくさんのデベロッパーが Android Studio を使っています。今後も、Android の開発をさらに効率的にし、生産性を高める機能の構築を継続的に進めていく予定です。
Android Studio 2.2 プレビューには、ユーザー インターフェースのデザインから新しい方法によるアプリのビルドやデバッグまで、様々な開発の側面で役立つ新機能が含まれています。
このプレビューには、次のようなカテゴリの新機能が含まれています。
デザイン
Layout Editor:
アプリのレイアウトを視覚的にデザインできる新しいユーザー インターフェース デザイナーです。ブループリント モードや新しいプロパティ パネルなどの機能によって、レイアウトやウィジェットを短時間で編集できます。
Constraint Layout:
複雑な UI を複数のレイアウトをネストせずに表現できる強力かつ柔軟な新しい Android レイアウトです。
Layout Inspector:
Android エミュレータまたはデバイスで実行されているアプリのレイアウトのスナップショットをデバッグし、ビュー階層や対応する属性を検査することができます。
開発
Firebase プラグイン:
Firebase
が提供する一連のサービスを Android Studio から活用し、アプリに組み込むことができます。Analytics、Authentication、Notifications、AdMob などのサービスをわずか数クリックで追加できます。
高度なコード分析:
Android Studio が Android アプリのコード品質をチェックします。本リリースには、260 項目にわたる Android Lint やコード検査に加えて、Java 8 言語に関する新しいコード品質チェックや、ファイル間の分析を強化した新しい検査インフラが含まれています。
サンプル ブラウザ:
Android サンプルコード
の参照がさらに簡単になります。コードエディタ ウィンドウ内で Google Android サンプルコードにあるアプリのコード スニペットを使用することによって、アプリ開発を最初からスピードアップすることができます。
C++ サポートの強化:
Android Studio 2.2 には、Gradle ではなく ndk-build や CMake を利用する既存の Android プロジェクトの編集、ビルド、デバッグ機能が搭載され、C++ 開発のサポートが強化されています。さらに、プロジェクト タイプの自動検出、単一のデバッガー プロセスでの Java 言語対応 C++ モードによる Java 言語と C++ ランタイムの同時検査など、既存の lldb C++ デバッガーも改善されています。
IntelliJ 2016.1:
Android Studio 2.2 では、基盤となっている JetBrains の製品プラットフォーム
IntelliJ
の最新アップデートがすべて含まれています。
ビルド
Jack コンパイラーの改善:
新しい Jack コンパイラーを使用している方のために、Android Studio 2.2 ではアノテーション プロセッサ処理のサポートやビルド時間を短縮する増分ビルドのサポートが追加されています。
結合マニフェスト ビューア:
プロジェクトのさまざまなビルド バリアントによってアプリの依存性がどのように
AndroidManifest.xml
に結合されるかを診断します。
テスト
Espresso テスト レコーダー:
アプリを通常のユーザーとして使用するだけで
Espresso UI テスト
が記録でき、アプリの UI のクリックによって再利用や編集が可能なテスト コードが生成されます。生成されたテストは、継続的インテグレーション環境を使ってローカルで実行したり、
Firebase Test lab
で実行することができます。
APK Analyzer:
APK サイズの削減、
64K メソッド制限
問題のデバッグ、Dex ファイルの内容の参照など、APK を詳細に分析します。
Google I/O '16: Android 開発ツールの新機能
新機能の詳細
デザイン
Layout Editor:
Android Studio 2.2 には、新しいユーザー インターフェース デザイナーが搭載されています。多くの機能が強化されていますが、主な点は次のとおりです。
パレットからウィジェットをドラッグ アンド ドロップしてアプリのデザイン画面やコンポーネント ツリービューに配置できます。
デザイン画面にブループリント モードが導入され、空白スペースやレイアウトの配置を検査できます。
すばやくウィジェットを編集できるように、プロパティ パネルにはよく使う一部のプロパティが表示されます。1 クリックですべてのシートを表示する高度なプロパティに切り替えることができます。
UI ビルダーでメニューやシステム プリファレンス ファイルを編集できます。
Android Studio 2.2 プレビューの新しい Layout Editor
新しい Layout Editor によるメニューの編集
Constraint Layout:
この新しいレイアウトは、複数のレイアウトをネストすることなく、アプリの動的なユーザー インターフェースを作成できる柔軟なレイアウト マネージャーです。Android Studio と密接に結びついたサポート ライブラリとして配布されており、API レベル 9 と後方互換性があります。
一見したところ、Constraint Layout は RelativeLayout に似ていますが、これは Studio 内で使用するためのものです。Constraint Layout を使用すると、アプリのデザインを効率的に記述して LinearLayout、FrameLayout、TableLayout、GridLayout のようなレイアウトを減らすことができます。また、ビルトインの自動制約インターフェース エンジンも組み込まれているので、自由に UI をデザインし、面倒な作業はすべて Android Studio に任せることができます。
この機能を簡単に使えるように、Android Studio 2.2 プレビューの新規プロジェクト ウィザードのビルトイン テンプレートで Constraint Layout が生成されるようになっています。または、新しい Layout Editor で任意の部分を右クリックし、[Convert to ConstraintLayout] オプションを選択しても、この機能を利用できます。
今回のリリースは、UI デザイナーと Constraint Layout の初期プレビューです。今後のリリースでは、さらなる機能拡張が予定されています。詳しくは、Android Studio の
ツール
サイトをご覧ください。
Constraint Layout
Layout Inspector の起動
Layout Inspector:
新しいレイアウトでも既存のレイアウトでも、アプリの UI をデバッグしてレイアウトが期待どおりに表示されるかどうかを確認したいケースは多いでしょう。新しい Layout Inspector を利用すると、アプリのビュー階層に入り込んで画面上の各 UI コンポーネントの属性を分析できます。
このツールは、Android Monitor ウィンドウの Layout Inspector アイコンをクリックするだけで起動できます。ツールが起動すると、Android Studio は分析用にアプリの現在のビュー階層のスナップショットを作成します。
Layout Inspector
開発
Firebase プラグイン:
Firebase
は、高品質のアプリ開発、ユーザーベースの拡大、収益の増加をサポートする新しいデベロッパー サービス スイートです。Android Studio の内部で、新しい Assistant ウィンドウから新規または既存の Android アプリに Firebase を追加できます。Firebase の機能にアクセスするには、
[Tools]
メニューをクリックし、
[Firebase]
を選択します。Firebase Cloud Messaging や Firease Crash Reporting のような Firebase サービスをアプリケーションに追加する場合でも、最初にまったく新しい Firebase Analytics を基盤として設定するとよいでしょう。Android Studio 内部での Firebase の統合の詳細は、
こちら
をご覧ください。
Android Studio の Firebase プラグイン
コードサンプル ブラウザ:
これは、Android サンプルをインポートするだけの機能ではありません。Android Studio 2.2 プレビュー内のメニュー オプションにはコードサンプル ブラウザがあり、プロジェクトで現在ハイライトされているシンボルに基づいて Google が提供する高品質な Android コードサンプルを検索することができます。この機能を利用するには、コード上で変数、型、メソッドをハイライトして右クリックし、コンテキスト メニューから [Find Sample Code] を選択します。検索結果は下の出力ボックスに表示されます。
コードサンプル ブラウザ
ビルド
CMake と NDK-Build:
Android NDK をご利用の方は、Android Studio を使って CMake と NDK-Build で Android アプリ プロジェクトのビルドを行えるようになります。これを行うには、Gradle が既存のビルドファイルを参照するようにします。cmake プロジェクトまたは ndk-build プロジェクトを Gradle に追加すると、Android Studio は自動的に関連する Android コードファイルを Studio で編集とデバッグ用に開きます。
CMake ユーザーの方は、Gradle ファイルの
externalNativeBuild
セクションに CMList.txt ファイルへのパスを追加するだけです。
Android Studio での CMake ビルド
NDK-Build ユーザーの方は、Gradle ファイルの上記のセクションに *.mk ファイルへのパスを追加するだけです。
Android Studio での NDK-Build
Jack ツールの改善:
新しい
Jack ツールチェーン
は Java 言語ソースを Android dex バイトコードにコンパイルします。Jack コンパイラーを使用すると、ラムダ式などの Java 8 言語機能の一部がすべてのバージョンの Android で利用できるようになります。本リリースでは、増分ビルドとアノテーション プロセッサによる処理が完全にサポートされているため、Java 8 言語機能を既存プロジェクトにも活用できます。
Jack で増分ビルドを使用するには、build.gradle ファイルに次の設定を追加します。
Jack の増分コンパイル オプションの有効化
Jack は自動的にクラスパスにあるアノテーション プロセッサを適用します。apk にバンドルせずにコンパイル時のアノテーション プロセッサを使用するには、新しくサポートされた次の annotationProcessor 依存性スコープを使用します。
Jack アノテーション プロセッサ処理の有効化
結合マニフェスト ビューア:
ビルドタイプ、フレーバー、バリアントに基づいてどのようにプロジェクトの依存性と AndroidManifest が結合されるかを Android Studio から簡単に確認できます。AndroidManifest.xml で、画面下にある新しい
Merged Manifest
タブをクリックします。AndroidManifest の各ノードがさまざまなプロジェクトの依存性によってどのように解決されるかをご確認ください。
結合マニフェスト ビューア
テスト
Espresso テスト レコーダー:
UI テストの記述は時に非効率な作業になります。
Espresso UI テスト
の記録機能を利用すると、アプリを操作するだけでテストを作成できるようになります。Android Studio は UI の操作をキャプチャし、完全に再利用が可能な Espresso テストに変換します。これは、ローカルや
Firebase Test lab
で実行することができます。このレコーダーを使うには、
[Run]
メニューから
[Record Espresso Test]
を選択します。
Espresso テスト レコーダー
APK Analyzer:
新しい APK Analyzer を使うと、APK 内のさまざまなコンポーネントの中身やサイズを把握することができます。さらに、Dex ファイルの
64K リファレンス メソッド制限
問題の回避、ProGuard 設定問題の診断、結合 AndroidManifest.xml ファイルの表示、コンパイル済みのリソース ファイル(resources.arsc)の検査なども可能です。これによって、 APK サイズを削減したり、APK に意図したものが確実に含まれるようにすることができます。
APK Analyzer は、APK ファイルそのもののサイズと、APK 内のさまざまなコンポーネントのダウンロード サイズの両方を表示します。ダウンロード サイズは、Google Play が提供する APK をインストールする際にユーザーがダウンロードする必要があるサイズの目安です。この情報によって、どの部分でサイズを削減すればよいか、優先順位付けをしやすくなります。
この新機能を利用するには、
[Build]
メニューをクリックして
[Analyze APK…]
を選択し、分析したい APK を指定します。
APK Analyzer
Java 対応 C++ デバッガー:
N 以上で動作する C++ コードをデバッグする場合、Java 言語に対応した 1 つの lldb インスタンスでデバッグを行うことができます。このデバッガーは、ファスト ステップやメモリ ウォッチポイントなどのすばらしい lldb 機能のサポートを継続しつつ、Java 言語のブレイクポイントでの中断や、Java 言語のメモリ内容の表示ができるようになっています。
自動デバッガー選択:
Android Studio アプリは、デバッガー タイプに「Auto」を利用できます。これによって、Java 言語対応 C++ デバッガーと C++ プロジェクト用のハイブリッド デバッガーから自動的で適切なデバッガーが選択されるようになります。 Java 言語のみを使用するプロジェクトでは、Java 言語デバッガーがそのまま利用されます。
C++ での自動デバッガーの有効化
次のステップ
ダウンロード
旧バージョンの Android Studio をご使用中の方は、ナビゲーション メニューから Canary チャンネルのアップデートを確認できます(Windows / Linux の場合は [Help] → [Check for Update]、OS X の場合は [Android Studio] → [Check for Updates])。このアップデートは既存の Android Studio にパッチを適用するものではなく、新しいバージョンをダウンロードするものです。Android Studio 2.2 プレビューは、
Canary リリースサイト
からもダウンロードできます。
Android Studio 2.2 プレビューをご利用いただく場合、新しい Canary とともに安定版もご利用いただくことを推奨します。2 つのバージョンを共存させる方法については、
ツールサイト
をご覧ください。
気に入った機能や問題点、新機能の提案などのフィードバックは大歓迎です。
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